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イットリウム90

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イットリウム90
概要
名称、記号 イットリウム90,90Y
中性子 51
陽子 39
核種情報
天然存在比 0
半減期 64.60 ± 0.43 h
同位体質量 89.9071519(27) u

イットリウム90 (Yttrium-90、90Y) は、イットリウム同位体の一つである。イットリウム90はがん放射線療法に用いられている。

崩壊モード

90Yは半減期64.1時間、崩壊エネルギー2.28MeV、平均βエネルギー0.9336MeVでジルコニウム90β崩壊する。また、90Zrの0+状態に崩壊する過程で1.7MeVの光子を0.01%対生成する。放出された電子が物質と相互作用することで、制動放射線が放出されることがある。

生成

イットリウム90は、原子炉で使用されるウランの核分裂生成物である半減期約29年のストロンチウム90が核崩壊することで生成される。その後、化学的な高純度精製によってイットリウム90を分離してから沈殿させる。

医学的応用

90Yは、肝細胞癌白血病リンパ腫の治療に重要な役割を果たしているが、様々な腫瘍を治療できる可能性がある。経動脈的放射線塞栓療法画像下治療で行われる処置であり、90Yを含浸させた微小球を腫瘍を栄養する動脈に注入する。微小球は腫瘍の周囲の血管に留まり、その結果、放射線が近くの組織にダメージを与える。90Yを用いた放射線塞栓療法は、肝細胞癌のTTP(time-to-progression)を有意に延長し、有害事象の許容範囲も広く、同様の治療法よりも患者のQOL(生活の質)を向上させる。90Yは、微小球から放出される制動放射線を画像化することで、腫瘍診断にも利用されている。また、放射線塞栓療法後のポジトロン断層法も可能である。

関連項目

参考資料


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