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ダーク・ファンタジー
ダーク・ファンタジー(Dark fantasy)は、ファンタジー作品のジャンルの1つで、重苦しい雰囲気や悲劇的展開、残酷な描写や過激な性描写など、主人公をはじめとする登場人物にとって不条理な世界観などに重きを置いているものを指す。あるいは、幻想文学作品で、幻想・怪奇・ホラーの色合いが濃いものを指す。インターネット上では(おもに漫画・アニメ・ゲーム分野において)ダクファンと略される事もある。
大人ないし成人向けのファンタジー作品という意味合いからアダルト・ファンタジーと呼ぶ場合もある。
ダーク・ファンタジーの特徴
一般的なファンタジーおよび幻想小説とダーク・ファンタジーとの明確な線引きは難しく、作風によって出版社が判断してジャンル分けしたり、読者が独自に判断したり、作者がコメントなどで明確に打ち出したりするなど、様々である。 東京創元社を例に挙げると、同社レーベル内ではタニス・リーやジョナサン・キャロルの作品群などを「ダーク・ファンタジイ」ジャンルとして扱っている。なお、同社では「ファンタジイ」ジャンルを細分化して、「ファンタジイ」のほか「ダーク・ファンタジイ」「ヒロイック・ファンタジイ」「ユーモア・ファンタジイ」「ロマンティック・ファンタジイ」「異世界ファンタジイ」などに分類をしている。 他方、論創社の叢書「ダーク・ファンタジー・コレクション」では、ミステリー・SF・ホラーと幅広いジャンルを網羅したシリーズとなっている。
ハイ・ファンタジー、いわゆる異世界ファンタジーの分類としてのダーク・ファンタジーでは、ストーリー全体がシリアスなトーンで進行しているのが大きな特徴で、その中で人間の残酷な心理や内面をえぐった表現や、予定調和的なハッピーエンドを嫌った展開(バッドエンド方針)、過激な戦闘とグロテスクな描写、性描写などに特徴的な作品を指すことが多い。
異世界ファンタジーとしてのダークファンタジー作品では、トールキンの亜流作品や児童文学などで描かれる中世ヨーロッパ「風」世界のメルヘン・幻想的=非現実的なイメージに対するアンチテーゼとして、現実の醜汚を世界観に反映させており、史実に基づいた戦争とそれに伴う略奪、魔女狩りや拷問、飢饉や疫病、政治の腐敗といったガジェットがリアリズム(場合によってはある程度の誇張表現も含む)により生々しく描写されることもある。
一方、より広義のファンタジーとしての幻想文学の作品群でダーク・ファンタジーというラベリングをした場合、幻想と怪奇、ホラーの味付けの強い作品、ゴシック小説の流れを汲む作品などを指して呼ぶことが多い。現実世界に非現実の存在がクロスオーバーする現象、あるいはその体験を、恐怖として表現したもので、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトやホルヘ・ルイス・ボルヘスらの作品に特徴的である。
ダーク・ファンタジーを用いる作家
- ニール・ゲイマン
- クライヴ・バーカー
- レイ・ブラッドベリ
- ジョージ・R・R・マーティン
- ジョナサン・キャロル
- ダレン・シャン
- タニス・リー
- 萩原一至
- 三浦建太郎
- 桐生操
- 石田スイ
- 虚淵玄
- 諫山創
- 星野桂
- 吾峠呼世晴
- 大久保篤
- 冨樫義博
- 枢やな
- 藤本タツキ
脚注
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