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パゾパニブ
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | Votrient |
Drugs.com | monograph |
MedlinePlus | a610013 |
ライセンス | EMA:リンク、US FDA:リンク |
胎児危険度分類 | |
法的規制 | |
投与方法 | Oral |
薬物動態データ | |
血漿タンパク結合 | >99% |
代謝 | Hepatic (CYP3A4, 1A2 and 2C8-mediated) |
半減期 | 31.9 hours |
排泄 | Faeces (primary), urine (<4%) |
識別 | |
CAS番号 |
444731-52-6 |
ATCコード | L01XE11 (WHO) |
PubChem | CID: 11525740 |
ChemSpider | 9700526 |
UNII | 7RN5DR86CK |
ChEMBL | CHEMBL477772en:Template:ebicite |
化学的データ | |
化学式 | C21H23N7O2S |
分子量 | 437.517 g/mol |
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パゾパニブ(Pazopanib)はマルチチロシンキナーゼ阻害薬の一つであり、血管新生を阻害して腫瘍の成長を妨げる。腎細胞癌および悪性軟部腫瘍の治療に用いられる。商品名ヴォトリエント。
効能・効果
日本では「悪性軟部腫瘍」(2012年9月)および「根治切除不能または転移性の腎細胞癌」(2014年3月)について承認を取得している。
米国(2009年10月)、欧州(2010年6月)、英国(2010年6月)、豪州(2010年6月)等でも進行・転移性腎細胞癌ならびに進行性軟部腫瘍について承認されている。豪州ではPBSの対象になっている。
卵巣癌および非小細胞肺癌に対する有効性も示されているが、卵巣癌への適用は英国EMAで却下された他、どの国でも承認されていない。
禁忌・警告
パゾパニブに過敏症を有する患者、妊婦また妊娠している可能性のある婦人には禁忌である。
日本の添付文書の警告欄には「重篤な肝機能障害」が現れることがあると書かれており、中等度以上の肝機能障害を有する患者では、最大耐用量が低いとされている。米国の添付文書では、致死的な肝障害が発現する旨が黒枠警告で示されている。
米国の添付文書の警告欄に表示されている項目は、以下の通りである。
- 高血圧(高血圧クリーゼを含む)が報告されている。
- QT延長症候群(トルサード・ド・ポアントを含む)が報告されている。
- 血栓性微小血管症が報告されている。
- 血栓性血小板減少性紫斑病が報告されている。
- 溶血性尿毒症症候群が報告されている。
- 血液学的異常が31%から37%の患者に発生する。
- 心障害(左室駆出率 (LVEF) の低下および鬱血性心不全)が報告されている。
- 致死的出血、動脈血栓症、静脈血栓症、消化管穿孔が臨床試験時に見られた。
副作用
添付文書に記載されている重大な副作用は、
- 肝不全、肝機能障害(AST、ALT、ビリルビン、γ-GTP上昇等)(28.4%)、膵炎(3.8%)、
- 消化管穿孔、消化管瘻(0.5%)、
- 高血圧(42.0%)、高血圧クリーゼ(0.6%)、
- 心機能障害(鬱血性心不全、左室駆出率低下等)(2.8%)、QT間隔延長(0.6%)、心室性不整脈(0.1%)、
- 動脈血栓症(心筋梗塞、狭心症、虚血性脳卒中、一過性脳虚血発作、心筋虚血等)(1.8%)、静脈血栓症(静脈血栓症、肺塞栓症)(1.1%)、出血(脳出血(0.5%)、喀血(1.3%)、消化管出血(4.1%)、血尿(1.8%)、肺出血(0.1%)、鼻出血(4.9%)等)(13.2%)、
- ネフローゼ症候群(0.1%)、蛋白尿(12.5%)、
- 甲状腺機能障害(12.6%)、感染症(8.6%)、創傷治癒遅延(0.4%)、間質性肺炎(0.1%)、血栓性微小血管症(血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群等)(0.1%)、可逆性後白質脳症症候群、網膜剥離(0.1%)
である。(頻度未記載は頻度不明)
5%以上に発現する副作用は、上述の肝機能障害(28.4%)、高血圧(42.0%)、出血(13.2%)、甲状腺機能障害(12.6%)、蛋白尿(12.5%)、感染症(8.6%)のほか、食欲減退、下痢、悪心、毛髪変色、疲労(いずれも30%以上)、体重減少、味覚異常、頭痛、発声障害、嘔吐、腹痛、消化不良、口内炎、便秘、手掌・足底発赤知覚不全症候群、発疹、脱毛症、皮膚色素減少、皮膚乾燥、筋骨格痛、血小板減少症、好中球減少症、白血球減少症、貧血、粘膜炎、無力症(いずれも5〜30%)である。
過量投与
過量投与時の治療は対症療法に限られる。症状はグレード3の高血圧および疲労である。
相互作用
以下の薬物が相互作用する 。
- 強力なCYP3A4阻害薬(ケトコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシン、グレープフルーツジュース等)はパゾパニブの血中濃度を増加させる。
- CYP3A4誘導薬(リファンピシン、カルバマゼピン等)はパゾパニブの血中濃度を減少させる。
- パゾパニブはP糖蛋白質(PGP)の基質であるので、キニジン等のPGP阻害薬はパゾパニブと相互作用する。
- パゾパニブは肝臓のOATP-1B1およびOATP-1B3の基質ではない。
- パゾパニブはOATP-1B1の阻害活性があるが、OATP-1B3の阻害活性はない。