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三冠 (野球)
野球における三冠(さんかん、英語:Triple Crown)とは、打者の場合、日本プロ野球(NPB)およびメジャーリーグベースボール(MLB)において1シーズンに1人の打者が首位打者・本塁打王・打点王の3つのタイトルを獲得することである。打者の選手が三冠を達成した場合は「三冠王」と呼びNPB、MLBともに表彰される
投手の場合、MLBでは1シーズンに1人の投手が最多勝利・最優秀防御率・最多奪三振の3つのタイトルを獲得すること と定義されているが、日本プロ野球では定義されていない。日本では、1リーグ時代から最高勝率が連盟表彰とされてきたことから、2000年代前半までは投手三冠といえば最多勝利・最優秀防御率・最高勝率を指すことが一般的であった。打者の三冠とは違い投手の三冠はNPBでは表彰の対象ではない。
一般的に「三冠王」とのみ表記される場合は打者の三冠王の事を指し、投手が三冠を達成した場合は「投手三冠王」と区別して呼んでいる。
概要
日本プロ野球においては、中島治康が1938年秋のシーズンで打撃3タイトルを独占した当時は、「打撃3部門の全てで1位となった」ことへの認識が薄く、話題にはならなかった。後に1953年から1958年にかけて、西鉄ライオンズの中西太が、4度にわたって打撃3タイトルの独占を僅差(1打点差や打率数厘差)で逃すという出来事があった。この時期の中西を巡る報道の中で、打撃3タイトルの独占が「トリプルクラウン」として取り上げられるようになり、「トリプル冠」「三重勝」といった表現の試行を経て、1958年頃から「三冠王」という訳語がマスコミで定着した。1965年に野村克也が打撃3タイトルを独占した際には、「三冠王」として大きく報道されている。
この事実を紹介した日本経済新聞の記事では、先に存在していた競馬の「三冠馬」という言葉の影響を受けた可能性が強いとも指摘している。
NPBおよびMLBにおける公式の定義以外でも、メディアなどでは野球におけるその他のタイトルやリーグトップの複数の記録の獲得、あるいは野球以外の競技における複数の最高記録の獲得を「○冠」と呼ぶ場合がある。
NPB
打者部門
年度 | リーグ | 選手名 | 所属球団 | 打率 | 本塁打 | 打点 | その他リーグ1位の項目 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1938年秋 | 日本野球連盟 | 中島治康 | 東京巨人軍 | .361 | 10 | 38 | 安打・塁打・出塁率・長打率 |
MVP プロ野球史上初 |
1965年 | パ・リーグ | 野村克也 | 南海ホークス | .320 | 42 | 110 | 得点・安打・塁打・敬遠 | MVP 戦後および2リーグ制以降初 |
1973年 | セ・リーグ | 王貞治(1) | 読売ジャイアンツ | .355 | 51 | 114 | 得点・安打・塁打・四球・敬遠・出塁率・長打率 | MVP(満票) セ・リーグ初 |
1974年 | セ・リーグ | 王貞治(2) | 読売ジャイアンツ | .332 | 49 | 107 | 得点・塁打・四球・敬遠・出塁率・長打率 | MVP、史上最年長(34歳)での達成 |
1982年 | パ・リーグ | 落合博満(1) | ロッテオリオンズ | .325 | 32 | 99 | 安打・二塁打・塁打・出塁率・長打率 | MVP プロ入り最速(4年目)での達成 |
1984年 | パ・リーグ | ブーマー・ウェルズ | 阪急ブレーブス | .355 | 37 | 130 | 安打・塁打・OPS | MVP 外国人選手初 入団から最速(2年目)での達成 |
1985年 | セ・リーグ | ランディ・バース(1) | 阪神タイガース | .350 | 54 | 134 | 安打・塁打・出塁率・長打率 | MVP |
1985年 | パ・リーグ | 落合博満(2) | ロッテオリオンズ | .367 | 52 | 146 | 得点・塁打・四球・敬遠・出塁率・長打率 | MVP |
1986年 | セ・リーグ | ランディ・バース(2) | 阪神タイガース | .389 | 47 | 109 | 安打・塁打・四球・敬遠・出塁率・長打率 | 打率はNPB記録 |
1986年 | パ・リーグ | 落合博満(3) | ロッテオリオンズ | .360 | 50 | 116 | 得点・四球・敬遠・出塁率・長打率 | 最多となる3回目の達成 |
2004年 | パ・リーグ | 松中信彦 | 福岡ダイエーホークス | .358 | 44 | 120 | 得点・安打・塁打・出塁率・長打率 | MVP 平成唯一の達成 |
2022年 | セ・リーグ | 村上宗隆 | 東京ヤクルトスワローズ | .318 | 56 | 134 | 得点・塁打・四球・敬遠・出塁率・長打率 | MVP(満票) 令和初、史上最年少(22歳)での達成 |
2022年シーズン終了時点で12例(8人)の三冠王が誕生している。史上初の三冠王は1938年秋の中島治康である。複数回達成しているのは王貞治、ランディ・バース、落合博満で、落合は3回、王とバースは2回達成している。
投手部門
「*」は当時連盟表彰対象外の項目
年度 | リーグ | 選手名 | 所属球団 | 勝利 | 防御率 | 奪三振 | その他のリーグ1位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1937年春 | 日本野球連盟 | 沢村栄治 | 東京巨人軍 | 24 | 0.81 | 196* | 勝率・完投・完封・無四球 |
MVP 日本プロ野球史上初 |
1938年秋 | 日本野球連盟 | ヴィクトル・スタルヒン | 東京巨人軍 | 19 | 1.05 | 146* | 勝率・完投・完封・無四球・投球回数 | |
1943年 | 日本野球連盟 | 藤本英雄 | 東京巨人軍 | 34 | 0.73 | 253* | 登板・先発・勝率・完投・完封・投球回数 | 防御率はNPB記録 |
1948年 | 日本野球連盟 | 中尾碩志 | 読売ジャイアンツ | 27 | 1.84 | 187* |
沢村賞 戦後初・左投手初 |
|
1954年 | セ・リーグ | 杉下茂 | 中日ドラゴンズ | 32 | 1.39 | 273* | 登板・勝率・完封・投球回数 | MVP(満票)・沢村賞 |
1954年 | パ・リーグ | 宅和本司 | 南海ホークス | 26 | 1.58 | 275* | 投球回数 | 新人での達成、19歳での達成は史上最年少 パ・リーグ初 |
1958年 | セ・リーグ | 金田正一 | 国鉄スワローズ | 31 | 1.30 | 311* | 完封・WHIP | 沢村賞 |
1958年 | パ・リーグ | 稲尾和久(1) | 西鉄ライオンズ | 33 | 1.42 | 334* | 登板・投球回数・WHIP | MVP |
1959年 | パ・リーグ | 杉浦忠 | 南海ホークス | 38 | 1.40 | 336* | 先発・勝率・完封・WHIP | MVP(満票) |
1961年 | パ・リーグ | 稲尾和久(2) | 西鉄ライオンズ | 42 | 1.69 | 353* | 登板・勝率・完投・投球回数 | 勝利数はNPBタイ記録 奪三振は歴代2位、パ・リーグ記録 複数回達成は史上初 |
1961年 | セ・リーグ | 権藤博 | 中日ドラゴンズ | 35 | 1.70 | 310* | 登板・先発・完投・完封・無四球・投球回数・WHIP | 沢村賞 新人での達成 |
1978年 | パ・リーグ | 鈴木啓示 | 近鉄バファローズ | 25 | 2.02 | 178* | 先発・完投・完封・無四球・WHIP | 31歳での達成は史上最年長 |
1980年 | パ・リーグ | 木田勇 | 日本ハムファイターズ | 22 | 2.28 | 225* | 勝率・完投・投球回数 | MVP 新人での達成 |
1981年 | セ・リーグ | 江川卓 | 読売ジャイアンツ | 20 | 2.29 | 221* | 勝率・完投・完封・WHIP | MVP |
1985年 | セ・リーグ | 小松辰雄 | 中日ドラゴンズ | 17 | 2.65 | 172* | 沢村賞 | |
1990年 | パ・リーグ | 野茂英雄 | 近鉄バファローズ | 18 | 2.91 | 287 | 勝率・完投・投球回数 | MVP・沢村賞 新人での達成 |
1999年 | セ・リーグ | 上原浩治 | 読売ジャイアンツ | 20 | 2.09 | 179 | 勝率・無四球・WHIP | 沢村賞 新人での達成 |
2006年 | パ・リーグ | 斉藤和巳 | 福岡ソフトバンクホークス | 18 | 1.75 | 205 | 勝率・完封・無四球・投球回数 | 沢村賞 |
2010年 | セ・リーグ | 前田健太 | 広島東洋カープ | 15 | 2.21 | 174 | 完投・投球回数・WHIP | 沢村賞 |
2018年 | セ・リーグ | 菅野智之 | 読売ジャイアンツ | 15 | 2.14 | 200 | 完投・完封・投球回数・WHIP | 沢村賞 |
2020年 | パ・リーグ | 千賀滉大 | 福岡ソフトバンクホークス | 11 | 2.16 | 149 | ||
2021年 | パ・リーグ | 山本由伸(1) | オリックス・バファローズ | 18 | 1.39 | 206 | 先発・勝率・完投・完封・投球回数・WHIP | MVP・沢村賞 |
2022年 | パ・リーグ | 山本由伸(2) | オリックス・バファローズ | 15 | 1.68 | 205 | 先発・勝率・完投・完封・投球回数 | MVP・沢村賞 2年連続は史上初 |
2022年シーズン終了時点で投手三冠王は23例(21人)。史上初の投手三冠王は沢村栄治である。外国人史上初はヴィクトル・スタルヒン。複数回達成しているのは稲尾和久と山本由伸で、連続達成は山本由伸のみ。 沢村賞とのWタイトルになる事が多く、沢村賞制定(1947年)以降に対象リーグ(1950 - 1988年はセ・リーグのみ、1989年以降は両リーグ対象)の投手三冠は14例あるが、うち12例で沢村賞を獲得している(1981年江川卓・2020年千賀滉大のみ不選出)。
他方、MVPとの親和性は打者三冠王よりも低く、投手三冠を達成したケースでMVPに選出された事例は、全体の半分に満たない(全体で23例中、MVP9例)。
球団別では、巨人7回、南海(現在のソフトバンク)4回、中日3回、西鉄(現在の西武)2回、近鉄2回、オリックス2回、国鉄(現在のヤクルト)1回、日本ハム1回、広島1回。
投手5冠
投手○冠という場合の項目はマスコミ等でも統一されていないため、最高勝率タイトルを含めて4冠と呼ぶことがある。さらに、スポーツライター宇佐美徹也は、この4冠に「球威を現すバロメーター」いう理由で最多完封を加えて投手5冠王とすることで、打者の三冠王に「匹敵する五冠王と呼んだらどうだろう」と述べている(ただし、なぜ完封が「球威を現すバロメーター」なのかに関する説明はない)。このように、投手5冠とは宇佐美が創作した称号であるが、近年はこの5項目を投手5冠とする報道がある。
2022年シーズン終了時点で投手5冠王達成者は1937年春の沢村栄治(巨人)、1938年秋のスタルヒン(巨人)、1943年の藤本英雄(巨人)、1954年の杉下茂(中日)、1959年の杉浦忠(南海)、1981年の江川卓(巨人)、2006年の斉藤和巳(ソフトバンク)、2021年・2022年の山本由伸(オリックス)の8人(9回)。斉藤和巳以外は所属チームはいずれもリーグ優勝を果たしている。こちらはMVPとの親和性が高く、リーグ優勝を果たした7人のうちスタルヒン、藤本英雄を除く5人がMVPを受賞している(2006年の斉藤和巳もMVP投票において1位票を最も多く獲得していた)。
その他
- 同シーズンに打者部門・投手部門の両方で三冠王の達成者が出たのは、1938年秋・1985年・2022年の3回である。
- 1938年秋は、三冠王が投打両部門ともに東京巨人軍の選手であった為、三冠王同士の直接対決はしていない。
- 1985年は、打者三冠王がランディ・バース(阪神)と落合博満(ロッテ)であり、投手三冠王は小松辰雄(中日)であったが、バースと小松はセ・リーグ在籍であったため両者はそのシーズン中に直接対決をしている。ただし三冠王が決定するのはシーズン終了後なので、三冠王同士としての直接対決という形ではない。
- 2022年は打者三冠王がセ・リーグの村上宗隆(ヤクルト)、投手三冠王がパ・リーグの山本由伸(オリックス)であり、2022年10月22日の日本シリーズ第1戦において史上初の三冠王同士としての直接対決が実現した。
MLB
パンチョ伊東のエッセイによると、打点がリーグの記録として公表されるようになったのは1907年からであり、当時は打点の定義がリーグによって微妙に違いがあったため、それを統一して公式記録となったのは1920年からであるという。さらに当時の本塁打の多くは「ランニング・ホームラン」であったので、ほとんど注目されておらず、本塁打は三塁打の延長程度に考えられていた。従って、1910年代までの打撃の「三冠王」とは、打率・安打数・得点数の部門を制した選手を指していた。
打者部門
打撃6部門制覇は1909年にタイ・カッブが記録している。監督兼任での達成は1925年のロジャース・ホーンスビーが記録している。
年齢は達成年度の年齢。リーグのNLはナショナルリーグ、AAはアメリカン・アソシエーション、ALはアメリカンリーグ。不明は記録不明。()はランニング本塁打の本数(判明している数のみ。走本0本の場合は未記載)、走本はランニング本塁打の意。守備位置は達成年に最も守ったポジション。外野手は右翼手など詳細が判明している場合は記載。盗塁の太字はリーグトップ。
年度 | 年齢 | 選手名 | リーグ | 所属球団 | 守備位置 | 打席 | 打率 | 本塁打(走本) | 打点 | 盗塁 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1878年 | 23歳 | ポール・ハインズ | NL | プロビデンス・グレイズ | 外野 | 右 | .358 | 4(1) | 50 | - | メジャーリーグ初の三冠王 |
1887年 | 29歳 | ティップ・オニール | AA | セントルイス・ブラウンズ | 外野 | 右 | .435 | 14(1) | 123 | 30 | 本塁打数に加え、安打数、二塁打数、三塁打数も1位 |
1894年 | 27歳 | ヒュー・ダフィー | NL | ボストン・ビーンイーターズ | 外野 | 右 | .440 | 18 | 145 | 48 | MLB歴代最高打率記録 |
1901年 | 26歳 | ナップ・ラジョイ | AL | フィラデルフィア・アスレチックス | 二塁 | 右 | .426 | 14(4) | 125 | 27 | 二塁手史上初の達成。近代野球初の三冠王、近代野球以降でのMLB歴代最高打率 |
1909年 | 22歳 | タイ・カッブ | AL | デトロイト・タイガース | 外野 | 左 | .377 | 9(9) | 115 | 76 | 三冠に加え盗塁数・安打数・出塁率もMLB全体で1位、三冠王唯一の全てランニング本塁打。打撃三冠王の史上最年少記録 |
1922年 | 26歳 | ロジャース・ホーンスビー(1) | NL | セントルイス・カージナルス | 二塁 | 右 | .401 | 42(4) | 152 | 17 | 二人目の二塁手での達成 |
1925年 | 29歳 | ロジャース・ホーンスビー(2) | NL | セントルイス・カージナルス | 二塁 | 右 | .403 | 39(1) | 143 | 5 | 史上初の二度目の三冠王。投手も含め唯一の監督兼任での達成。 |
1933年 | 25歳 | ジミー・フォックス | AL | フィラデルフィア・アスレチックス | 一塁 | 右 | .356 | 48 | 163 | 2 | 一塁手史上初の達成、初の両リーグから打撃三冠王誕生 |
1933年 | 28歳 | チャック・クライン | NL | フィラデルフィア・フィリーズ | 右翼 | 左 | .368 | 28(1) | 120 | 15 | 二人目の盗塁王経験者の達成 |
1934年 | 31歳 | ルー・ゲーリッグ | AL | ニューヨーク・ヤンキース | 一塁 | 左 | .363 | 49(1) | 165 | 9 | 二人目の一塁手での達成。三冠王の最多打点記録、最年長記録。最後のランニング本塁打を含む三冠王 |
1937年 | 25歳 | ジョー・メドウィック | NL | セントルイス・カージナルス | 左翼 | 右 | .374 | 31 | 154 | 4 | 最後のNL打撃三冠王 |
1942年 | 23歳 | テッド・ウィリアムズ(1) | AL | ボストン・レッドソックス | 左翼 | 左 | .356 | 36 | 137 | 3 | |
1947年 | 28歳 | テッド・ウィリアムズ(2) | AL | ボストン・レッドソックス | 左翼 | 左 | .343 | 32 | 114 | 0 | メジャー最多タイ記録の二度目の三冠王 |
1956年 | 24歳 | ミッキー・マントル | AL | ニューヨーク・ヤンキース | 中堅 | 両 | .353 | 52 | 130 | 10 | スイッチヒッター史上初の達成、現在でも史上唯一。三冠王の最多本塁打記録 |
1966年 | 30歳 | フランク・ロビンソン | AL | ボルチモア・オリオールズ | 右翼 | 右 | .316 | 49 | 122 | 8 | 黒人選手として史上初、現在でも史上唯一の三冠王 |
1967年 | 27歳 | カール・ヤストレムスキー | AL | ボストン・レッドソックス | 左翼 | 左 | .326 | 44 | 121 | 10 | 20世紀最後の達成 |
2012年 | 29歳 | ミゲル・カブレラ | AL | デトロイト・タイガース | 三塁 | 右 | .330 | 44 | 139 | 4 | 三塁手史上初の達成、メジャーリーグ45年ぶり |
参考記録 フレッド・ダンラップ 打率.412 本塁打13 打点不明
1884年にユニオン・アソシエーションでの記録。安打数 (185)、得点 (160)、本塁打 (13)、打率 (.412)、出塁率 (.448)、長打率 (.621)はいずれもリーグトップ。ユニオン・アソシエーションにおける個人の打点数は現在も判明していないが、他の部門の成績から見て、この年のユニオン・アソシエーションの「三冠王」になっていたと思われる。
投手部門
投手5部門制覇は1884年にチャールズ・ラドボーン、1930年にレフティ・グローブが記録している。
両リーグからの達成はUA、AA、NLなどの3リーグ以上ある場合の2リーグから誕生も含む。セーブの太字はリーグトップ。
年度 | 年齢 | 選手名 | リーグ | 所属球団 | 投球 | 勝利 | 防御率 | 奪三振 | セーブ | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1877年 | 21歳 | トミー・ボンド | NL | ボストン・レッドキャップス | 右 | 40 | 2.11 | 170 | 0 | 初の投手三冠王 |
1884年 | 28歳 | ガイ・ヘッカー | AA | ルイビル・カーネルズ | 右 | 52 | 1.80 | 385 | 0 | 初の両リーグ(3リーグ時に2リーグ)から投手三冠王誕生、投手三冠王で唯一の首位打者獲得経験者 |
1884年 | 29歳 | チャールズ・ラドボーン | NL | プロビデンス・グレイズ | 右 | 60 | 1.38 | 441 | 2 | 勝率、セーブ数も1位、投手三冠王、MLBの最多勝利記録、投手三冠王の最多奪三振記録 |
1888年 | 31歳 | ティム・キーフ | NL | ニューヨーク・ジャイアンツ | 右 | 35 | 1.74 | 335 | 0 | |
1889年 | 27歳 | ジョン・クラークソン | NL | ボストン・ビーンイーターズ | 右 | 49 | 2.73 | 284 | 1 | |
1894年 | 23歳 | エイモス・ルーシー | NL | ニューヨーク・ジャイアンツ | 右 | 36 | 2.78 | 195 | 1 | |
1901年 | 34歳 | サイ・ヤング | AL | ボストン・アメリカンズ | 右 | 33 | 1.62 | 158 | 0 | 近代野球初の投手三冠王 |
1905年 | 24歳 | クリスティ・マシューソン(1) | NL | ニューヨーク・ジャイアンツ | 右 | 31 | 1.28 | 206 | 3 | 両リーグから投手三冠王 |
1905年 | 28歳 | ルーブ・ワッデル | AL | フィラデルフィア・アスレチックス | 左 | 27 | 1.48 | 287 | 0 | |
1908年 | 27歳 | クリスティ・マシューソン(2) | NL | ニューヨーク・ジャイアンツ | 右 | 37 | 1.43 | 259 | 5 | セーブ数も1位、初の二度目の投手三冠王 |
1913年 | 25歳 | ウォルター・ジョンソン(1) | AL | ワシントン・セネタース | 右 | 36 | 1.14 | 243 | 2 | 投手三冠王の最高防御率記録 |
1915年 | 28歳 | ピート・アレクサンダー(1) | NL | フィラデルフィア・フィリーズ | 右 | 31 | 1.22 | 241 | 3 | |
1916年 | 29歳 | ピート・アレクサンダー(2) | NL | フィラデルフィア・フィリーズ | 右 | 33 | 1.55 | 167 | 3 | 初の二年連続投手三冠王、完封数のMLB歴代最多タイ記録 |
1918年 | 30歳 | ヒッポ・ボーン | NL | シカゴ・カブス | 左 | 22 | 1.74 | 148 | 0 | 両リーグから投手三冠王 |
1918年 | 30歳 | ウォルター・ジョンソン(2) | AL | ワシントン・セネタース | 右 | 23 | 1.27 | 162 | 3 | |
1920年 | 33歳 | ピート・アレクサンダー(3) | NL | フィラデルフィア・フィリーズ | 右 | 27 | 1.91 | 173 | 5 | 最多記録の三度目の投手三冠王 |
1924年 | 33歳 | ダジー・ヴァンス | NL | ブルックリン・ドジャース | 右 | 28 | 2.16 | 262 | 0 | 両リーグから投手三冠王 |
1924年 | 36歳 | ウォルター・ジョンソン(3) | AL | ワシントン・セネタース | 右 | 23 | 2.72 | 158 | 0 | 最多タイ記録の三度目の投手三冠王 |
1930年 | 30歳 | レフティ・グローブ(1) | AL | フィラデルフィア・アスレチックス | 左 | 28 | 2.54 | 209 | 9 | 勝率、セーブ数もMLB全体で1位 |
1931年 | 31歳 | レフティ・グローブ(2) | AL | フィラデルフィア・アスレチックス | 左 | 31 | 2.06 | 175 | 5 | 最長タイの二年連続投手三冠王 |
1934年 | 25歳 | レフティ・ゴメス(1) | AL | ニューヨーク・ヤンキース | 左 | 26 | 2.33 | 158 | 1 | |
1937年 | 28歳 | レフティ・ゴメス(2) | AL | ニューヨーク・ヤンキース | 左 | 21 | 2.33 | 194 | 0 | |
1939年 | 30歳 | バッキー・ウォルターズ | NL | シンシナティ・レッズ | 右 | 27 | 2.29 | 137 | 0 | |
1940年 | 21歳 | ボブ・フェラー | AL | クリーブランド・インディアンス | 右 | 27 | 2.61 | 261 | 4 | |
1945年 | 24歳 | ハル・ニューハウザー | AL | デトロイト・タイガース | 左 | 25 | 1.81 | 212 | 2 | |
1963年 | 27歳 | サンディー・コーファックス(1) | NL | ロサンゼルス・ドジャース | 左 | 25 | 1.88 | 306 | 0 | |
1965年 | 29歳 | サンディー・コーファックス(2) | NL | ロサンゼルス・ドジャース | 左 | 26 | 2.04 | 382 | 2 | セーブも記録した年での達成は2023年現在最後 |
1966年 | 30歳 | サンディー・コーファックス(3) | NL | ロサンゼルス・ドジャース | 左 | 27 | 1.73 | 317 | 0 | 42年ぶりの最多タイの三度目の投手三冠王、35年ぶり最長タイの二年連続投手三冠王 |
1972年 | 27歳 | スティーブ・カールトン | NL | フィラデルフィア・フィリーズ | 左 | 27 | 1.97 | 310 | 0 | |
1985年 | 20歳 | ドワイト・グッデン | NL | ニューヨーク・メッツ | 右 | 24 | 1.53 | 268 | 0 | 投手三冠の最年少記録 |
1997年 | 34歳 | ロジャー・クレメンス(1) | AL | トロント・ブルージェイズ | 右 | 21 | 2.05 | 292 | 0 | |
1998年 | 35歳 | ロジャー・クレメンス(2) | AL | トロント・ブルージェイズ | 右 | 20 | 2.65 | 271 | 0 | 33年ぶりの二度目の投手三冠王、32年ぶり最長タイの二年連続投手三冠王 |
1999年 | 27歳 | ペドロ・マルチネス | AL | ボストン・レッドソックス | 右 | 23 | 2.07 | 313 | 0 | |
2002年 | 38歳 | ランディ・ジョンソン | NL | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 左 | 24 | 2.32 | 334 | 0 | 投手三冠の最年長記録 |
2006年 | 27歳 | ヨハン・サンタナ | AL | ミネソタ・ツインズ | 左 | 19 | 2.77 | 245 | 0 | |
2007年 | 26歳 | ジェイク・ピービー | NL | サンディエゴ・パドレス | 右 | 19 | 2.54 | 240 | 0 | |
2011年 | 28歳 | ジャスティン・バーランダー | AL | デトロイト・タイガース | 右 | 24 | 2.40 | 250 | 0 | 87年ぶりの両リーグから投手三冠王 |
2011年 | 23歳 | クレイトン・カーショウ | NL | ロサンゼルス・ドジャース | 左 | 21 | 2.28 | 248 | 0 | |
2020年 | 25歳 | シェーン・ビーバー | AL | クリーブランド・インディアンス | 右 | 8 | 1.63 | 122 | 0 | レギュラーシーズン60試合、シーズン最高奪三振率記録 |
また、メジャーリーグベースボールの三冠王一覧も参照
KBO
打者部門
年度 | 選手名 | 所属球団 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1984年 | 李萬洙 | 三星ライオンズ | .340 | 23 | 80 | |
2006年 | 李大浩(1) | ロッテ・ジャイアンツ | .336 | 26 | 88 | |
2010年 | 李大浩(2) | ロッテ・ジャイアンツ | .364 | 44 | 133 | 最多記録となる2度目の打者三冠王 |
投手部門
年度 | 選手名 | 所属球団 | 勝利 | 防御率 | 奪三振 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1986年 | 宣銅烈(1) | ヘテ・タイガース | 24 | 0.99 | 214 | |
1989年 | 宣銅烈(2) | ヘテ・タイガース | 21 | 1.17 | 198 | |
1990年 | 宣銅烈(3) | ヘテ・タイガース | 22 | 1.13 | 189 | |
1991年 | 宣銅烈(4) | ヘテ・タイガース | 19 | 1.55 | 210 | 最多記録となる4度目の投手三冠王 |
2006年 | 柳賢振 | ハンファ・イーグルス | 18 | 2.23 | 204 | 新人王とMVPを同時受賞 |
2011年 | 尹錫珉 | 起亜タイガース | 17 | 2.45 | 178 |
CPBL
打者部門
年度 | 選手名 | 所属球団 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1998年 | ジェイ・カークパトリック | 興農ブルズ | .387 | 31 | 101 | |
2017年 | 王柏融 | Lamigoモンキーズ | .407 | 31 | 101 |
投手部門
年度 | 選手名 | 所属球団 | 勝利 | 防御率 | 奪三振 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
2002年 | 宋肇基 | 中信ホエールズ | 16 | 2.13 | 183 | |
2006年 | 林恩宇 | 誠泰コブラズ | 17 | 1.73 | 209 | |
2015年 | マイク・ローリー(1) | 義大ライノズ | 16 | 3.26 | 144 | |
2017年 | マイク・ローリー(2) | 富邦ガーディアンズ | 16 | 2.18 | 154 | |
2020年 | ホセ・デポーラ | 中信兄弟 | 16 | 3.20 | 192 |
脚注
注釈
参照
参考文献
- 手塚一志『打率アップ・メソッド』高橋書店、2009年11月。ISBN 978-4-471-14107-3