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月経困難症
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月経困難症 | |
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分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 |
婦人科 |
ICD-10 | N94.4-N94.6 |
ICD-9-CM | 625.3 |
DiseasesDB | 10634 |
MedlinePlus | 003150 |
eMedicine | article/253812 |
Patient UK | 月経困難症 |
MeSH | D004412 |
GeneReviews |
月経困難症(げっけいこんなんしょう、dysmenorrhea)または生理痛(せいりつう)は月経(生理)中の痛み、および生理中に痛みがある状態のことである。通常、生理が始まるころに症状がみられる。症状は三日以内に治まることがほとんどである。その痛みはだいたい骨盤または下腹部に感じられる。その他の症状には腰痛、下痢、吐き気がある。月経困難症の症状は個人差が非常に大きく、ほとんど自覚症状のない女性もいる一方、起き上がれないほどの腹痛や嘔吐、重度の貧血、外出が困難なほど短時間で大量の出血があるなど、日常生活に差し支えるほどの症状に悩まされる女性もいる。
解説
器質的疾患を伴わない「原発性月経困難症」と、器質的疾患を伴う「続発性月経困難症」に分類される。
高齢の女性の場合、生理中に痛みが伴う場合は子宮内膜症、粘膜下筋腫(子宮の内側(子宮腔)寄り)、筋層内筋腫(子宮壁の肉の中)、漿膜下筋腫(子宮の外側寄り)が原因であることが多い(続発性月経困難症を意味する)。まれな例として、生殖器奇形がある。
月経困難症は、妊娠が可能な年齢の女性の20%から90%に起こると推定される。月経困難症は最も一般的な月経異常である。生理痛はたいてい初潮から1年以内に起こるようになる。根本的な問題がない限り年齢と共にまたは出産を機に改善されることが多い。 過多月経(出血が多い月経)、不正周期月経、12歳より若く初潮が発生した女性、低体重の女性に起こりやすい。
妊活、性的に活発な人は内診または超音波検査が診断に良いとされる。子宮外妊娠、骨盤腹膜炎、間質性膀胱炎、慢性的な骨盤の痛みは生理痛には含まれない。
治療
月経困難症は、定期的に運動する人や若いときに子供を出産した人には起こりにくい。
治療の一環としてヒートパッドが使われる。
症状を緩和する医薬品では、非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID、鎮痛薬) のイブプロフェン、避妊用女性ホルモン剤、IUD(子宮内避妊システム)がある。ビタミンBまたはマグネシウムの服用も緩和効果がありうる。ヨガ、鍼灸、マッサージも用いられる。また、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(いわゆる低用量ピル)を服用することでも軽減効果が期待できる。
器質的な問題がある場合は、手術による治療が有効な場合がある。
なお2014年には、ヤーズ錠(経口避妊薬)に対する安全性速報が出されており、血栓症が疑われる、足の急な浮腫や痛み、息切れ、胸痛、頭痛、麻痺、言語障害、視力障害に注意するための警告表示が追加された。そのため、処方の可否においては診断や経過観察が必須となる。
レビュー
2018年のシステマティック・レビューは、月経困難症にアロマテラピーが有効とした。同年のレビューは、ヨガも有効だとし、効果の大きさを測るための研究が必要である。同年、鍼や電気鍼では49つのランダム化比較試験をメタアナリシスし、症状や痛みを鎮痛薬(NSAID)より大きく緩和するとした。11のランダム化比較試験をメタアナリシスし、運動が有益な可能性があるが質の高い試験が必要だとした。同年、温熱療法は6つのランダム化比較試験があり有効とした。同年、NSAID系鎮痛薬に対するネットワークメタアナリシスでは、様々なNSAIDで72のランダム化比較試験を分析し、チアプロフェン酸とフルルビプロフェンで効果と安全性のバランスが良いとした。同年、経口避妊薬は子宮内膜症に関連する月経困難症に有効の可能性があるが、ランダム化比較試験は2件しか見つからず根拠の質は低い。