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紅茶キノコ
紅茶キノコ(こうちゃキノコ、露: Чайный гриб)は東モンゴル原産で、後にシベリアでよく飲まれるようになった発酵飲料。紅茶、もしくは緑茶に砂糖を加え、そこに培地で栽培されたキノコにも見えるゲル状の塊を12日から14日ほど漬け込む事で発酵させる。
日本では1970年代に健康食品として流行した。家庭で栽培できたことから、株分けにより口コミ的にも広まったが、ブームは『紅茶キノコ健康法』の発行によるところが大きい。
欧米やオーストラリアではコンブチャ(英語: Kombucha)と呼び、健康飲料として売られている。マンゴー味、ストロベリー味、ローズヒップ味といった、欧米向けに加工されているものもある。日本でもSNSなどを通じて関心を集め、「逆輸入」の形で2014年から2016年頃にかけて販売が拡大した 。「コンブチャ」の名称は、その後も日本国内で製造されている紅茶キノコ飲料にも使われている。
名称
紅茶キノコは「コンブチャ」とも呼ばれる。これは日本語の「昆布茶」と似た名前だが、紅茶キノコと昆布茶は全く別のものである。The American Heritage Dictionary of the English Languageは、英語話者がゼラチン状の培地を海草(昆布)と誤解し、「昆布茶」と混同したものと推測している。英語ではKombucha。
性質
日本では1975年初頭からブームとなったが、漢方薬的効果を期待して飲んだ人の間で様々な生理的異常が生じたとされ、安全性が心配され、有効性に疑念が持たれた。1977年に東京都立衛生研究所の研究者らが都内の愛飲家から分けてもらった紅茶キノコについての調査では、紅茶キノコを構成する微生物に病原性は認められなかった。
共生細菌を多く含んだ発酵飲料として位置付けられる。家で培養したものは酸性度が高くなりすぎることがあり、飲んだ人が死亡に到る危険性もありうるとして一部の専門家は注意を呼びかけている。
紅茶キノコの「きのこ」
実際は、産膜性酢酸菌のコロニーが形成したセルロースゲルであり、真のキノコのような真菌の子実体ではない。酵母の Zygosaccharomyces sp. と酢酸菌の Acetobacter xylinum が主菌相であったことが報告されている。製品評価技術基盤機構は紅茶キノコから分離した細菌 Komagataeibacter hansenii のセルロース膜産生性能がどの程度かを調べ他の Gluconacetobacter 属細菌と比較した。