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選択的アンドロゲン受容体修飾薬
選択的アンドロゲン受容体修飾薬 | |
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Drug class | |
クラス識別子 | |
略称 | Partial androgens |
効用 | Hypogonadism; Osteopenia; Osteoporosis; Sarcopenia; Cachexia; |
生物学的ターゲット | アンドロゲン受容体 |
Chemical class | Steroidal; Nonsteroidal |
In Wikidata |
選択的アンドロゲン受容体修飾薬(Selective androgen receptor modulator;SARM)は、新しいクラスのアンドロゲン受容体リガンドである。SARMは、アンドロゲン製剤と同じ様な効果を持ちながら、より選択的に作用する事を目的としており、アナボリックステロイドよりも多くの用途に使用出来る。SARMは、組織選択的なアンドロゲンの新しい時代の到来を意味し、幾つかの病気の治療に役立つ可能性を秘めている。
テストステロンとの比較
現在、男性ホルモン補充療法に使用されているアンドロゲンは、テストステロンまたはテストステロンエステルの注射剤または皮膚貼付薬が一般的である。エナント酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、シピオン酸テストステロン等の注射剤では、注射後すぐに高値になり、その後低値になるなど、テストステロンの血中濃度に好ましくない変動が見られる。皮膚貼付薬は、テストステロンのより良い血中濃度プロファイルを提供するが、皮膚への刺激と毎日の適用がその有用性を制限している。
SARMは、経口投与が可能でありながら、異なる組織のアンドロゲン受容体を選択的に標的とする分子を設計する能力を提供する。この分野の研究の目的は、テストステロンの反応をカスタマイズし、治療の対象となる組織はテストステロンと同じように反応し、望ましくない副作用が発生する他の組織は反応しない医薬品を開発する事である。
しかし、いくつかの非ステロイド系アンドロゲンは、同化作用とアンドロゲン作用の比率が、1:1のテストステロンと比較して、3:1以上、最大で90:1(RAD-140)となっています。
理想的なSARMは、前立腺等の組織にアンドロゲン作用を齎す事なく、筋肉や骨の組織に同化作用をもたらす真の選択性を持っていない。開発中の幾つかの非ステロイド系アンドロゲンは、同化作用とアンドロゲン作用の比率が1:1のテストステロンと比較して、3:1以上、最大で90:1である(RAD-140)。
より強力で選択性の高いSARMの研究が続けられており、経口バイオアベイラビリティや生体内での半減期の増加等の特性の最適化が模索されている。また、組織選択性のあるSARMが初めて実証されたのは2003年であるが、これまでに試験された化合物は第一世代のSARMに過ぎず、今後の開発により、現在入手可能なものよりも選択性の高い薬剤が生まれる可能性がある。
男性での選択性
例えば、骨減少症や骨粗鬆症の高齢男性で、明らかな性腺機能低下症の兆候がない場合、骨や筋肉組織にのみ効果があり、前立腺や精巣への作用が少ないSARMが望ましいと考えられる。
女性での選択性
女性用のSARMは、男性性徴の発現(男性化)、LDL/HDL比の上昇、肝機能障害等の副作用がなく、アンドロゲンが影響を与える骨の保持や性欲などの機能を刺激することが理想的である。
実例
臨床試験中
- エノボサーム – 最も知られているSARMの一つで、筋肉と骨の両方に作用し、主に骨粗鬆症の治療を目的としているが、更年期障害の一般的な治療や、高齢者の筋肉のサルコペニアの回復、がん患者の悪液質の改善にも効果がある。
- BMS-564929 – 主に筋肉の成長に影響を与え、男性更年期障害の症状に対する一般的な治療を目的としている
- リガンドロール – エノボサーム同様の作用
前臨床試験
- AC-262536
- LGD-2226 – 筋肉と骨の両方に作用
- LGD-3303
- S-40503 - 骨組織への選択性があり、特に男性化傾向が低く、骨粗鬆症を目的とする女性への使用に適している可能性がある
- S-23 - 男性ホルモン型避妊具として開発中
- RAD140
開発中止薬
- アセトチオルタミド:in vitro では高親和性のARフルアゴニストだが、in vivo では薬物動態が悪いため活性が非常に低い
- アンダリン - 部分作動薬で、主に前立腺肥大症の治療を目的とする
- LG121071
- TFM-4AS-1
- YK-11