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Braille ASCII
Braille ASCII(あるいはより公式には The North American Braille ASCII Code)は、ASCIIコードのうち64個の印字可能文字を用いて6点点字の全ての可能な組み合わせを表すものである。これは1969年ころに作られ、元々の「North American Braille ASCII」の名に反して、世界中で使われている。
概要
Braille ASCIIは0x20から0x5Fまでの64個のASCII文字を使用する。全ての大文字アルファベットは英語点字において同じ文字を表す。ただし、墨字と異なり点字には大文字小文字の区別が無いため、大文字符(6の点)を付けなければ小文字である。
0-9の数字は、下がり数字の0-9に対応する。すなわちa-jを1マス下げたものである。例えば(1,4の点)は「c」または「3」を表すが、Braille ASCIIにおいて「3」は(2,5の点)を表す。
その他のASCII文字は点字と対応しているものもあればそうでないものもある。例えば(3,4の点)はBraille ASCIIでも通常の英語点字でも「/」を表すが、Braille ASCIIでは「=」で表す(1,2,3,4,5,6の点)は点字では「=」ではない。
Braille ASCIIは通常の英語点字よりも数学のためのen:Nemeth Brailleにより近い。Nemeth BrailleはBraille ASCIIのベースとなったものである。
Braille ASCIIをテキストエディタで表示するとデタラメな記号列に見えるが、Braille ASCIIでの表示を再現するフォントもいくつかある。その多くは無料である。
用途
Braille ASCIIは元来、6点点字をデジタル形式で保存・通信するためのものとして作られ、現在でもそれが第一の用途である。キーボードで入力できる普通の文字を使用しているため、普通のテキストエディタで簡単に入力・編集が可能である。多くの点字プリンタはBraille ASCIIを入力として受け付ける。またほぼすべての点字変換ソフトはこの形式を入出力できる。
点字素材を作成する機関ではBRFファイルを配布することがある。BRFファイルは基本的にはBraille ASCIIからなるが、点字の印刷・表示のされ方を制御する制御文字を含む。これらのファイルは印刷したり点字ディスプレイで読んだり通常のテキストに変換してスクリーンリーダーで読み上げたりすることができる。BRFファイルは点字化されたコンテンツを受け取るより便利だと考えるものは多く、BRFファイルは配布フォーマットとしての用途が拡大しつつある。
Unicodeは8点点字をエンコードする手段を含むが、6点点字をエンコードするフォーマットとしてBraile ASCIIは引き続き好まれている。
対応表
表は左から、16進のASCIIコード・ASCII文字・対応する点字・そのUnicode表記・その点字に対する一般的な意味・コモンズの画像ファイル名を順に示す。
ウィキメディアコモンズに点字の画像データがアップされており、「File:Braille_□.svg」の□部分にファイル名を入れて表示させることができる。 たとえば、「⠼」の画像データは「File:Braille_NumberSign.svg」と入力すれば呼び出せる。
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上の表をUnicodeの点字ブロック(U+2800 - U+283F)に対応する順序に並べたものをC言語式のリテラルで次に示す。
" A1B'K2L@CIF/MSP\"E3H9O6R^DJG>NTQ,*5<-U8V.%[$+X!&;:4\\0Z7(_?W]#Y)="
未使用のASCII値
6点点字を表すのに必要な文字は64個のみであるため、Braille ASCIIに全てのASCII値は必要ない。
小文字のa-zは通常使われないが、対応する大文字と同じ点の組み合わせとして扱われることもありうる。`, {, |, } は使われず、Braille ASCIIへの対応は未定義である。
Braille ASCIIは6点点字を表すためのASCIIのサブセットでしかない。すべてのASCII文字を明確に表現できるComputer Braille Codeや情報処理用点字と混同してはならない。