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FAK

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PTK2
Protein PTK2 PDB 1k04.png
PDBに登録されている構造
PDB オルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

4Q9S, 1K04, 1K05, 1MP8, 1OW6, 1OW7, 1OW8, 2ETM, 2IJM, 3B71, 3BZ3, 3PXK, 3S9O, 4EBV, 4EBW, 4GU6, 4GU9, 4I4E, 4I4F, 4K8A, 4K9Y, 4KAB, 4KAO, 4NY0

識別子
記号 PTK2, FADK, FAK, FAK1, FRNK, PPP1R71, p125FAK, pp125FAK, protein tyrosine kinase 2
外部ID OMIM: 600758 MGI: 95481 HomoloGene: 7314 GeneCards: PTK2
遺伝子の位置 (マウス)
15番染色体 (マウス)
染色体 15番染色体 (マウス)
15番染色体 (マウス)
PTK2遺伝子の位置
PTK2遺伝子の位置
バンド データ無し 開始点 73,205,102 bp
終点 73,423,280 bp
RNA発現パターン
PBB GE PTK2 208820 at fs.png

PBB GE PTK2 207821 s at fs.png
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 SH2 domain binding
キナーゼ活性
受容体結合
ATP binding
protein kinase activity
JUN kinase binding
non-membrane spanning protein tyrosine kinase activity
transferase activity
血漿タンパク結合
プロテインキナーゼ結合
ヌクレオチド結合
actin binding
protein tyrosine kinase activity
protein phosphatase binding
細胞の構成要素 細胞質
細胞質基質

焦点接着
extrinsic component of cytoplasmic side of plasma membrane
微小管形成中心
細胞骨格
細胞核
張力線維
apical plasma membrane
膜状仮足
細胞膜
細胞皮質
細胞結合
樹状突起スパイン
接着結合
生物学的プロセス regulation of protein phosphorylation
positive regulation of protein phosphorylation
regulation of cell adhesion mediated by integrin
胎座
脈管形成
タンパク質リン酸化
vascular endothelial growth factor receptor signaling pathway
growth hormone receptor signaling pathway
血管発生
regulation of osteoblast differentiation
血管新生
transforming growth factor beta receptor signaling pathway
cellular response to transforming growth factor beta stimulus
positive regulation of protein kinase B signaling
Fc-gamma receptor signaling pathway involved in phagocytosis
cell motility
regulation of GTPase activity
signal complex assembly
regulation of epithelial cell migration
negative regulation of axonogenesis
regulation of endothelial cell migration
establishment of cell polarity
regulation of focal adhesion assembly
リン酸化
netrin-activated signaling pathway
negative regulation of synapse assembly
extracellular matrix organization
negative regulation of apoptotic process
neuron migration
positive regulation of ubiquitin-dependent protein catabolic process
regulation of cell shape
integrin-mediated signaling pathway
regulation of substrate adhesion-dependent cell spreading
negative regulation of organ growth
microtubule cytoskeleton organization
negative regulation of anoikis
positive regulation of protein kinase activity
negative regulation of cell-cell adhesion
positive regulation of cell migration
ephrin receptor signaling pathway
heart morphogenesis
MAPK cascade
軸索誘導
positive regulation of phosphatidylinositol 3-kinase activity
多細胞個体の発生
regulation of cell population proliferation
positive regulation of cell population proliferation
positive regulation of phosphatidylinositol 3-kinase signaling
regulation of cytoskeleton organization
endothelial cell migration
central nervous system neuron axonogenesis
自然免疫
peptidyl-tyrosine phosphorylation
epidermal growth factor receptor signaling pathway
自己リン酸化
nuclear migration
negative regulation of autophagy
positive regulation of cardiac muscle hypertrophy
peptidyl-tyrosine autophosphorylation
細胞分化
regulation of cell adhesion
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒト マウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_001199649
NM_005607
NM_153831
NM_001316342

NM_001130409
NM_007982
NM_001358045
NM_001358046

RefSeq
(タンパク質)
NP_001186578
NP_001303271
NP_005598
NP_722560
NP_001339623

NP_001339624
NP_001339625
NP_001339626
NP_001339627
NP_001339628
NP_001339629
NP_001339630
NP_001339631
NP_001339632
NP_001339633
NP_001339634
NP_001339635
NP_001339636
NP_001339637
NP_001339638
NP_001339639
NP_001339640
NP_001339641
NP_001339642
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NP_001339644
NP_001339645
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NP_001339648
NP_001339649
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NP_001339678
NP_001339679
NP_001339680
NP_001339681

NP_032008
NP_001344974
NP_001344975

場所
(UCSC)
n/a Chr : 73.21 – 73.42 Mb
PubMed検索
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト 閲覧/編集 マウス

FAK(focal adhesion kinase、フォーカルアドヒージョンキナーゼ、焦点接着キナーゼ、接着斑キナーゼ)またはPTK2(protein tyrosine kinase 2)は、ヒトではPTK2遺伝子にコードされるタンパク質である。FAKはフォーカルアドヒージョン関連プロテインキナーゼであり、細胞接着(細胞が互いにまたは周囲の環境とどのように結合するか)や拡散過程(細胞がどのように移動するか)に関与している。FAKが遮断されると、がん細胞は移動性が低下し転移能が低下することが示されている。

機能

PTK2遺伝子は非受容体型チロシンキナーゼをコードする。このタンパク質は、細胞外マトリックスの構成要素への接着を行うフォーカルアドヒージョンに濃縮されている。チロシンキナーゼのFAKサブファミリーに属し、このファミリーには他にPYK2が含まれるが、他のサブファミリーのキナーゼとの有意な配列類似性はみられない。また、大きなFERMドメインが存在する。

特定種の血液細胞を除いて、大部分の細胞はFAKを発現している。FAKのチロシンキナーゼ活性は、細胞遊走の初期段階に重要な役割を果たす。FAKは発生過程で必要であり、FAKの喪失は致死となる。FAKが細胞遊走に絶対に必要とされるわけではないことは矛盾のようであるが、がん抑制因子p53の調節など、細胞内で他の役割にも関与している可能性がある。

FAKは125 kDaのタンパク質で、フォーカルアドヒージョンのダイナミクス、細胞の運動性と生存に関与している。FAKは高度に保存された非受容体型チロシンキナーゼであり、もともとはがん遺伝子にコードされチロシンキナーゼv-srcの基質として同定された。この細胞質型キナーゼは細胞遊走、分裂促進因子に対する応答、細胞の生存など細胞内で多様な役割を持っている。FAKは一般的にフォーカルアドヒージョンに局在している。フォーカルアドヒージョンは細胞外マトリックスと細胞質の細胞骨格を連結する多タンパク質構造である。フォーカルアドヒージョンの他の構成要素としては、アクチンフィラミンビンキュリンタリンパキシリンテンシンRSU1などがある。

調節

FAKはインテグリンのエンゲージメント、成長因子による刺激、分裂促進性神経ペプチドの作用に応答してリン酸化される。インテグリンは細胞外マトリックスへのエンゲージメントに伴って密集するヘテロ二量体型膜貫通糖タンパク質であり、FAKのリン酸化とフォーカルアドヒージョンへのリクルートを引きこす。FAKの活性はFRNK(FAK-related nonkinase)と呼ばれる内因性阻害因子の発現によって減弱する。FRNKは、FAKのC末端の非触媒ドメインのみからなる、切り詰められたタンパク質である。

アポトーシスにおける役割

ヒトの内皮細胞でのアポトーシスシグナル伝達の初期過程において、FAKはカスパーゼ-3によってAsp772で切断され、約90 kDaと約35 kDaの2つの断片が形成される。小さい方の断片は"killer FAT"と呼ばれ、細胞死シグナル伝達と関係したドメインとなる。アポトーシス過程では、FAKは細胞の円形化(rounding)、接着点の喪失、ブレブの形成(blebbing)などアポトーシス時の膜構造の形成に寄与する重要な因子である。ブレブの形成は細胞皮質アクチンリングの収縮を伴い、クロマチンの凝縮との断片化が続く。FAKの過剰発現はアポトーシスの阻害と、転移性腫瘍の有病率の増加をもたらす。

構造

FAKには4つの明確な領域またはドメインが存在する。これらのドメインのうち、N末端のFERMドメインとキナーゼドメイン(触媒ドメイン)は自己阻害性相互作用を行う。この相互作用は2つのドメインの間の疎水性相互作用によるものであると考えられているが、キナーゼドメインの活性化を防ぎ、それによってFAKのシグナル伝達機能を防いでいる。この自己阻害性相互作用の解除は細胞質では起こらず、フォーカルアドヒージョンで起こることが示されている。そのため、相互作用の解除にはフォーカルアドヒージョンのタンパク質との相互作用が必要であると考えられており、おそらくフォーカルアドヒージョンを介して伝達される機械力の結果生じると考えられている。

C末端

C末端領域の159アミノ酸はFAT(focal adhesion targeting domain)と呼ばれており、FAKのフォーカルアドヒージョンへの標的化を担うことが示されている。このドメインはバンドル状に配置された4本のαヘリックスヘリックスバンドル)から構成される。最もN末端側のヘリックスにはリン酸化が行われるチロシン残基(Y925)が存在し、シグナル伝達への関与が示唆されている。ヘリックス間の2つの疎水的パッチ(1番目と4番目、2番目と3番目のヘリックスによってそれぞれ形成される)はパキシリンの短いヘリカルドメインを結合することが示されている。

N末端

N末端ドメインの機能ははっきりしないが、β1インテグリンサブユニットと相互作用することがin vitroで示されており、細胞外マトリックス-インテグリンクラスターからのシグナルの伝達に関与していると考えられている。しかしながら、この相互作用の重要性に疑問も投げかける研究も存在し、β3インテグリンサブユニットの細胞質領域との相互作用が重要であることが示唆されている。

FAKのN末端ドメインは、赤血球で最初に同定されたバンド4.1ドメインと高い配列類似性を示す。このバンド4.1ドメインはグリコフォリンCなどの膜貫通タンパク質の細胞質領域、アクチン、スペクトリンに結合する。このことはFAKのN末端領域が細胞骨格の固定に関与している可能性を示唆しているが、その正確な役割はいまだ明らかではない。

触媒/調節ドメイン

N末端領域とC末端領域の間には触媒ドメインが位置する。このキナーゼドメインの活性化ループのリン酸化がFAKのキナーゼ活性には重要である。

臨床的意義

FAKのmRNAのレベルは漿液性卵巣腫瘍の約37%、浸潤性乳がんの約26%で上昇しており、たのいくつかの悪性腫瘍でも上昇がみられる。

薬剤標的として

FAK阻害剤

FAKは多くのがんに関与しているため、FAKを阻害する薬剤の探索と評価が行われている。例えば2010年の時点では、PF-573228(PF-228)、PF-562271(PF-271)、NVP-226、Y15 (1,2,4,5-benzenetetraamine tetrahydrochloride)、PND-1186などが開発されている。

2013年までに、GSK2256098とPF-573228は少なくとも第I相試験が完了している。

2014年時点で臨床試験が行われている他のFAK阻害剤には、VS-6062(PF-562271)、VS-6063(PF-04554878 デファクチニブ)、VS-4718(PND-1186)がある。これらは全てATP競合型キナーゼ阻害剤である。VS-6063はKRAS変異型非小細胞肺癌の患者に対する第II相試験(Trial ID: NCT01951690)が行われており、腫瘍と関係したINK4a/Arfp53の変異に対して応答がどのように依存しているかの試験が行われている。

2015年、VS-6063の中皮腫に対する臨床試験は有効性を示せず早期終了した

相互作用

FAK(PTK2)は次に挙げる因子と相互作用することが示されている。

関連文献

関連項目

外部リンク


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