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Rリンキング
Rリンキング(アールリンキング、英語: r-linking, Linking r)とは、リンキング(リエゾン)の一種である。ここでは「割り込みのR(Intrusive r)」についても解説する。
解説
Rリンキング
イギリス英語において、-r または -re で終わる単語(つまり、語末の音素が/r/である単語)に母音で始まる単語が続く場合、その語末の/r/が母音の前の位置にあるものとみなして発音される。
- far away /fɑːr əweɪ/→[fɑː rəweɪ](ファー・ラウェイ)
- War and Peace /wɔːr ənd piːs/→[wɔː rənd piːs](ウォー・ランドゥ・ピース)
Rリンキングは話し言葉でよく見られる。なお、後続が子音で始まる語や、何も続かない場合、語末の/r/は発音されないので、Linking rは起きない。
また、アメリカ英語では語末の r がr音性母音として発音されるため、rリンキングは自然に起こる。
割り込みのR
英語の歴史上、語末に/r/の音素を持つことが無かった英単語、つまり語末に -r または -re が綴られていない語であっても、/r/を後から“挿入”して、Linking rのように、後続する母音で始まる語の母音の前に/r/があるものとみなして発音することがある。これを『Intrusive r(割り込みのr)』と呼ぶ。
- saw it /sɔː ɪt/→[sɔː rɪt](ソーリトゥ)
- drawing /drɔːɪŋ/→[drɔːrɪŋ](ドゥローリング)
容認発音との関連
容認発音(Received Pronunciation)が広く普及していた時代には、Linking rとIntrusive rを区別することが重要視されていた。イギリスにおいて、RPが標準発音であった時代、Linking rを許容するイギリス人RP話者は多くいたが、Intrusive rを許容するイギリス人RP話者は少なかった。
それどころか、Intrusive r は英語への“intrusion(侵略)”であると見做され、Intrusive rを非難するイギリス人RP話者が多くいた。終いには、Intrusive rはRPの特徴ではないとまで言いだす人も続出したが、これについてはLindsey(2019: 87)が否定している。
また、RPの話者が少なくなってきた最近では、Intrusive rを非難する人自体が少なくなっている。その例として、BBCですら、Intrusive rを使うアナウンサーが増えてきている。