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ダンワールド
ダンワールド(丹ワールド、ハングル:단월드)は、健康や癒しビジネスを扱う韓国の企業、気修練団体、丹田呼吸普及団体、内丹術の組織である。1985年に韓国人の李承憲が前身である丹学仙院を設立した。その活動には、グローバリズム的側面とナショナリズム的側面があり、韓国国内では朝鮮の神話の人物・檀君を崇拝する檀君思想を取り入れ、朝鮮の伝統的な気修練法「丹学」(ダンハク)は檀君がもたらしたと主張し、韓国ナショナリズムを鼓舞する運動、韓民族のアイディンティティを立て直す運動を展開した。韓国国外では、アメリカや日本など世界各地に約200ヶ所の支部を設立し、丹学をアレンジしたという脳を活性化させると称するプログラム・イルチブレインヨガ(ダンハク、ダン、ダンヨガ、脳教育、Body & Brainとも)の教室を展開し、インストラクターの育成等のビジネスをグローバルに展開している。
制度化された「宗教」を否定し、霊性(スピリチュアリティ)を強調する。ダンワールドは、李承憲は有名なスピリチュアル指導者で、人類に悟りの革命(enlightenment revolution)をもたらすとしている。
日本の文化庁の「平成25年度宗教法人等の運営に係る調査」では、近年活発に活動している檀君を信奉する教団として、孫正恩(ソン・ジョンウン)が創設した仙仏教(1994年)と共に挙げられている。
概要
韓国には丹田呼吸を中心とする伝統的な気修練法を広める団体が多くあり、ダンワールドはその中で最大規模である。
創立者の李承憲は、1950年に韓国の天安市に生まれ、病院で臨床病理士として勤務した。1980年30代の時に韓国の母岳山で21日間断食と瞑想を行い、長く失われていた丹学の修練を再発見したと述べている。修練やスピリチュアル体験をもとに、脳教育プログラム・丹学を開発したという。李承憲は1本の指または一つの道を意味する「イルチ」と名乗るようになり、1985年に株式会社ダンワールドの前身である丹学仙院を設立した。
韓国では、1980年代以降の経済発展の中で個人主義的消費文化が生まれ、欧米や日本でニューエイジ・新霊性運動と呼ばれる運動が流行した。立命館大学教授の佐々充昭によると、丹学仙院や国仙道などの丹田呼吸普及団体もこの運動の一部である。丹学仙院は、檀君神話に登場する朝鮮民族の祖とされる檀君を朝鮮民族の祖として崇拝する檀君民族主義を宣揚するなど、 1980年代から「率呂運動」という檀君宣揚運動を行い、韓国ナショナリズムを鼓舞する運動を展開している。民主化運動の英雄である金芝河も一時期関わりがあった。近年では、檀君宣揚運動を推進するために、平和大学院大学や国学院という研究機関を設立している。韓国の宗教学者Donald Bakerは、内丹術の組織であるダンワールドは、統一教会などの韓国の新宗教に見られるような、韓国を世界のスピリチュアルな中心と考え現代のスピリチュアルリーダーは韓国人から生まれるというの韓国中心の世界観を共有していると指摘し、ダンワールドは李承憲は人類を悟りの革命(enlightenment revolution)に導くと主張していると述べている。
一方韓国国外では、1991年にアメリカに、1997年に日本に進出し、世界各地に約200ヶ所の支部を設立、ダンヨガ(現イルチブレインヨガ、脳教育、Body & Brain)の教室の展開、インストラクターの育成等の活動を行った。国際的な展開の中で、「丹田呼吸」は「脳呼吸(Brain Respiration)」、「気」は「生命エネルギー(Life Energy)」や「ボルテックス・エナジー(Vortex Energy)」というように、東アジアの伝統的な「気」概念が欧米のニューエイジ用語によって言い換えられ、変容され再構成されている。
会社の収益の情報は不十分であるが、韓国の週刊誌によると、ダンワールドの2003年の世界売り上げは1700ウォン(2009年時点での1億3300万ドル)で、韓国の自動車メーカーの利益率を大きく上回り、フォーブスは2009年のアメリカでの利益は3400万ドルと見積もっている。
思想についてはイルチブレインヨガ#概念を、関連組織についてはイルチブレインヨガ#組織を参考のこと。
社会問題
元従業員や生徒との間に、組織・従業員による精神的・身体的・金銭的虐待、性関係の強要を訴える裁判や、トレーニング中の死亡事故に関する裁判があり、マインドコントロール技術の使用や、カルト、霊感商法の疑いが報道されたことがあった。
ダンワールドで高い地位の指導者だった韓国人女性は、内部での評価基準は、「第一が送金、二番目は、センターを出すためにお金を借りてくれる、ウォンサ(ダンハクの指導者の持つ職位で、自分の仕事を持ちながらダンワールドの仕事を手伝う人のこと)をたくさん輩出すること、三番目は、内部の指導者をたくさん輩出すること」で、送金の多い順でセンター(地院)長の業績が評価されており、センター開設数の目標も厳しいものだったと述べている。また、創始者の李承憲によるセクハラがあったと語っている。
日本でも霊感商法の疑いがあり、2012年7月16日の『毎日新聞』に、霊感商法の被害に遭ったとして、日本でダンヨガを運営するダンワールドジャパンと幹部に対する損害賠償訴訟が近く起こされるとの記事が掲載された。弁護士の紀藤正樹は自らのブログで、ダンワールドは「韓国の国粋主義的発想を持った宗教団体」であると批判した。
日本法人
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒461-0025 愛知県名古屋市東区徳川一丁目901番地 北緯35度10分57.3秒 東経136度55分25.4秒 / 北緯35.182583度 東経136.923722度 / 35.182583; 136.923722座標: 北緯35度10分57.3秒 東経136度55分25.4秒 / 北緯35.182583度 東経136.923722度 / 35.182583; 136.923722 |
設立 | 1997年5月 |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 心身修練法「イルチブレインヨガ」教室の全国展開、イルチブレインヨガ教室のフランチャイズ事業 、教育プログラム提供 |
代表者 | 周載玄(代表取締役CEO) |
資本金 | 2,730万円 |
発行済株式総数 | 800株 |
従業員数 | 120名 |
支店舗数 | 138店舗(2012年現在) |
外部リンク | http://www.dahnworld.co.jp/ |
特記事項:1997年設立。2009年7月に現社名に商号変更。 |
日本では、株式会社ダンワールドジャパンが「イルチブレインヨガスタジオ」の運営などを行なっている。愛知県名古屋市北区に本社を置く。提供する心身修練法は元々ダンヨガと呼んでいたが、霊感商法の疑いが報道された後にイルチブレインヨガに改名した。2012年現在、直営スタジオを46店舗、フランチャイズ加盟92店舗を全国展開している。
特定非営利活動法人IBREA JAPAN(NPO法人日本脳教育協会)、一般社団法人ECO (Earth Citizen Organization)こと地球市民学校、フリースクールの日本ベンジャミン人間性英才学校などの関連組織がある。ブレイントレーナーという民間資格に関する教育を行う。
沿革
- 1996年(平成8年) - 大阪府大阪市生野区鶴橋にて、日本初のスタジオ開設(創業)
- 2002年(平成14年) - 「丹学仙院」から「株式会社DAHN WORLD(ダンワールド)へ変更。
- 2006年(平成18年) - フランチャイズ事業に参入。大阪市天王寺にフランチャイズ1号店出店
- 2009年(平成21年) - 社名を「株式会社DAHN WORLD JAPAN(ダンワールドジャパン)」に変更
系列会社
- HSP WORLD(小売、卸売フランチャイズ事業展開 オーラ機器販売、店舗運営ILCHI HSP SHOP)