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ヘパシウイルス属
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ヘパシウイルス属

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へパシウイルス属
HCV EM picture 2.png
細胞培養液から精製されたへパシウイルスCの電子顕微鏡写真。スケールバーは50nm。
分類ICTV
レルム : リボウィリア Riboviria
: オルソルナウイルス界 Orthornavirae
: キトリノウイルス門 Kitrinoviricota
: Flasuviricetes
: Amarillovirales
: フラビウイルス科 Flaviviridae
: へパシウイルス属 Hepacivirus
タイプ種
へパシウイルスC

ヘパシウイルス属(Hepacivirus)は、フラビウイルス科一本鎖プラス鎖RNAウイルスである。ヘパシウイルスCに属するC型肝炎ウイルス(HCV)は、肝炎及び肝細胞癌に関連するウイルスで、知られている範囲では、ヒトを唯一の自然宿主としている。

分類学

この属に属すウイルスは、ヘパシウイルスA~Pの、15種に分類されている。

  • ヘパシウイルスA - イヌヘパシウイルス、非霊長類ヘパシウイルス、馬ヘパシウイルスを含む。
  • ヘパシウイルスB - GBV-Bウイルスを含む。
  • ヘパシウイルスC - 以前の種、C型肝炎ウイルスに含まれるウイルス、C型肝炎ウイルスを含む。
  • ヘパシウイルスD - Guereza hepacivirus を含む。
  • ヘパシウイルスE - rodent hepacivirus-339 を含む。
  • ヘパシウイルスF - rodent hepacivirus-NLR07-oct70 を含む。
  • ヘパシウイルスG - Norway rat hepacivirus 1 を含む。
  • ヘパシウイルスH - Norway rat hepacivirus 2 を含む。
  • ヘパシウイルスI - rodent hepacivirus-SAR-3/RSA/2008 を含む。
  • ヘパシウイルスJ - rodent hepacivirus-RMU10-3382/GER /2010 を含む。
  • ヘパシウイルスK - bat hepacivirus-PDB-829 を含む。
  • ヘパシウイルスL - bat hepacivirus-PDB-112 を含む。
  • ヘパシウイルスM - bat hepacivirus-PDB-491.1 を含む。
  • ヘパシウイルスN - ウシヘパシウイルスを含む。
  • ヘパシウイルスP - オナガホッキョクジリスに感染する。

この他にも、シラガタケネズミ(Rhizomys pruinosus)から分離された新しいウイルスがあるが、先述した属のいずれにも属していない。

また、この分類群に含まれる別の未分類のウイルスは、アヒルヘパシウイルスに似たウイルスである。

また、この属には、ハクトウワシから分離されたウイルスもある。

構造

ヘパシウイルス属のウイルスは、球形の構造に包まれており、直径は約50nmである。遺伝子は線形で、分割されておらず、長さは10kb(キロベース)である。

構造 対称 カプシド ゲノム配列 ゲノム断片
ヘパシウイルス 二十面体に近い 擬似T = 3 包まれている 線形 単文節

ライフサイクル

宿主細胞への侵入は、ウイルスエンベロープタンパク質Eを、クラスリン依存性エンドサイトーシスを取り成す宿主の受容体に付着させることにより、達成される。侵入後は、プラス鎖RNAウイルスの複製・転写の方式で増殖する。また、翻訳は、ウイルス自身が開始する。人間は、自然宿主として機能し、性的接触や血液を介して感染する。

宿主 組織の向性 侵入の詳細 放出の詳細 複製場所 構築場所 感染経路
ヘパシウイルス 人間 皮膚上皮組織、腎臓上皮組織、腸管上皮組織、精上皮組織 クラスリン依存性エンドサイトーシス 分泌 細胞質 細胞質 性的接触、血液

歴史

人においてC型肝炎の病原体であり、ヘパシウイルスCに分類されるC型肝炎ウイルス(HCV)は、1989年に発見された。現在までに、C型肝炎ウイルスの1~7までの7つの遺伝子型と、1a、1bなどの86のサブタイプ(亜型)が命名されている。

1995年に発見されたGBV-Bウイルス(GBウイルスBとしても知られる)は、広鼻猿、特にタマリンに感染することができるウイルスで、HCVと同様に、血液媒介経路によって伝播され、ウイルス性肝炎に関連している。しかし、GBV-Bは野生動物で確認されたことはなく、その自然宿主は不明である。

追加情報

その他のヘパシウイルスは、コウモリ、ハタネズミを含むげっ歯類、ウマおよびイヌから報告されている。

牛は、ヘパシウイルスN種に属するウイルスの宿主でもあるようである。

げっ歯類ヘパシウイルスは、シカマウス(Peromyscus maniculatus)に見られる。

優雅なネコザメ(Proscyllium habereri)からも、ヘパシウイルスに関連するウイルスが分離された。

ウマヘパシウイルスには少なくとも2つのサブタイプがある。

ヘパシウイルスCに最も密接に関連するウイルスは、ヘパシウイルスA種に属するウマヘパシウイルスである。

ヘパシウイルスAはロバにも感染することが分かっている。

参照資料

外部リンク


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