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メタ認知

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メタ認知(メタにんち、英:Metacognition)とは、「メタ(高次の)」という言葉が指すように、自己の認知のあり方に対して、それをさらに認知することである。メタ認知という概念の定義やその活動は分野によって様々であるが、心理療法認知カウンセリングをはじめ、ものごとや経験に対して正しい理解を行えているかなど、自分の認知行動を正しく知る上で必要な思考のありかたを指すことが一般的である。

メタ認知の知識的側面

メタ認知は「客観的な自己」「もうひとりの自分」などと形容されるように、現在進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握することができる能力である。メタ認知的知識とは、自分自身の状態を判断するための知識を指す。メタ認知的知識をもとに自分の考えの矛盾に気づき、課題の特性を把握した上で解決方略を修正していくといった活動を行うことができる。「一度にたくさんのことを伝えても、聞き手はそのすべてを覚えられないだろう」「難しい話をするときは、具体例を示すとわかりやすくなるだろう」といった人間の認知特性や課題、方略に関する知識を経験から蓄積しており、それぞれを必要に応じて活用している。

自分が何かを行う際どのようなプロセスを踏んでいるのかを知ることや、自分の思考行動そのものを対象として客観的に把握し、それを実行するという特徴から以下のような4つの機能で表現される。

  • Knowledge Monitoring Ability(知識を監視する能力)
  • Knowing about knowing(知ることについて知る)
  • Cognition about cognition(認知についての認知)
  • Understanding what I understand(自身の理解についての理解)

メタ認知の活動的側面

メタ認知的活動とは、自己に対してメタ認知を行うことで自身の状態を情報として理解し、またその情報から自身の行動へと反映または修正させていくものである。研究によって見解は様々であるが、一般的にメタ認知的活動は、以下の2つのモデルに分類される。

  • メタ認知的モニタリング(metacognitive-monitoring) - 自分自身の認知プロセスについての気づき。課題に対しての予想や点検、評価を行うこと。
  • メタ認知的コントロール(metacognitive-control) - 認知についての目標設定。モニタリングをもとに、課題達成に向けた方略の選択や計画、修正を行う。

モニタリングとコントロールは循環的な関係にあり、もしモニタリングの結果が不適切であれば、コントロールにおける方略選択や修正もまた不適切なものになってしまうと考えられている。

メタ認知と教育

メタ認知という概念は、学習や教育支援といった文脈においても重要な役割を果たしている。メタ認知能力の育成は、現代の教育、とくに学校教育の場面において特定の教科教育を越えた重要な課題のひとつとなっており、メタ認知を通して自己の思考プロセス・課題などを客観的に捉え、主体的に学習する姿勢や問題解決の能力を高めることが期待されている。

一方、メタ認知を取り入れた学習やその効果に関する実践は様々に行われているが、客観視できない内面の活動であるはずのメタ認知をいかに「評価」すべきかという課題も存在している。また、教育学を始めとした実践・応用研究が必ずしもメタ認知の基礎的研究に立脚したものではないことや、認知心理学におけるメタ認知の定義づけが研究者間でも一致していないことなど、メタ認知を扱う研究方法が明確に確立されていないという問題点も指摘されている。

関連項目

外部リンク


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