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ラジニーシ事件
ラジニーシ事件(ラジニーシじけん)は、ラジニーシの弟子であり、彼が率いた教団の運営トップであったマ・アナンド・シーラらが起こしたバイオテロ事件。
1984年、シーラは仲間たちとともに、アメリカ合衆国オレゴン州のレストランで、サルモネラ菌を使った無差別バイオテロを起こした。750人以上の地元住民が食中毒になり、うち45人が入院した。当初は集団食中毒であると考えられ、原因解明には1年にわたる警察の調査を要した。 死人こそは出なかったものの、アメリカ史上最大のバイオテロとして認識されている。
概要
20世紀のバイオテロ・犯罪を研究するアメリカ大学のセス・カルス(Seth Carus)の研究によると、ラジニーシプーラムの運営トップのマ・アナンド・シーラが計画を立てたとされている。
1984年、オレゴン州ワスコ郡ザ・ダルズのレストランのサラダバーで、サルモネラ菌による食中毒が発生、751人の患者を出す広がりを見せた。
事件の翌年、運営中枢のシーラをはじめとする幹部たちが、警察の逮捕が間近との情報を受けて出国した。ラジニーシは、オレゴンでは4年間沈黙していたが、この事件では記者会見を開き、幹部たちの引き起こしたこの事件について、FBIの調査に協力した。調査の結果、コミューン施設でサルモネラ菌製造の秘密工場が発見され、弟子達の証言から、シーラ達らが次回の選挙で住民を病気にして投票を邪魔するための実験として起こしたバイオテロだと分かった。オレゴン州とアメリカ連邦捜査局(FBI)は、ラジニーシプーラムの秘密の実験室から開封されたサルモネラ菌入りバイアルビンを押収し、これは食中毒にあった患者由来株と生化学的、遺伝学的に区別できないという調査結果になり、シーラ達が故意にサルモネラ菌をサラダバーに汚染させ、食中毒が発生したと結論づけた。
サルモネラ菌は、ラジニーシのコミュニティを視察に来た郡の委員二人にも使用されたという。
事件の主要メンバーだったシーラとサルモネラ菌製造の中心人物ダイアン・イヴォンヌ・オナン(マ・アーナンダ・プジャ)が逮捕され、懲役20年の実刑判決を受け服役した。模範囚だったため、29か月で仮釈放されている。
参考文献
- Weapons of Mass Psychological Destruction and the People Who Use Them (Practical and Applied Psychology). Larry C. James, Terry L. Oroszi 編集. Praeger Pub Text. (2015)
- ジュディス・ミラー『バイオテロ!―細菌兵器の恐怖が迫る』朝日新聞出版、2002年