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レクチン

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レクチン: lectin)は、糖や糖鎖と可逆的に結合するタンパク質の総称で、生物およびウイルスから120万種類以上発見されている。このうち、糖鎖に結合する抗体、糖鎖を触媒する酵素は除く。

歴史

1888年、エストニア、ドルバト大学(現タルトゥ大学)の 医師Peter Hermann Stillmarkが、トウゴマ(Ricinus communis)の種子から毒素タンパク質「リシン」(ricin)と赤血球凝集素「ヘムアグルチニン」(HA)を発見し、これらがレクチン研究の出発点となった。

その後、多種多様な凝集素が植物から探索され、これらは細胞の糖タンパク質や糖脂質の糖鎖と結合していることが判明する。白血球が白血病化すると、細胞表面の糖鎖の形が変化しその糖鎖に結合するコムギ胚芽凝集素の反応性が上がるなど、がんと糖鎖との密接な関係が明らかにされ、その研究ツールとして多くの医学研究に利用された。

アメリカの免疫学者 William C. Boydリママメの凝集素がA型の赤血球を凝集する現象を観察し、特定の血液型を「選ぶ (ラテン語: legere )」タンパク質(in)の意味から、一連の凝集素を「レクチン」と命名した。ABO式血液型の物質の実体が糖鎖であると知ることもできた。

機構など

レクチンの代表的な一次構造ファミリーには、細菌や古細菌含む生物界に広く存在するリシンB鎖関連の『R型レクチン』、真核生物に存在し糖タンパク質のフォールディングに関与する「カルネキシンカルレティキュリン」、多細胞動物に広く存在し「セレクチン」や「コレクチン」などを含むカルシウム要求性の『C型レクチン』、動物と真菌に存在しβ-ガラクトシドに結合する『ガレクチン』、レクチンのファミリー中最大で、マメ科植物種子や動物細胞に含まれる『L型レクチン』、リソソーム酵素の細胞内輸送に関わるマンノース-6-リン酸結合性の『P型レクチン』、グリコサミノグリカンなどの酸性糖鎖と結合する「アネキシン」、免疫グロブリン骨格を持つ「シグレック」を含む『I型レクチン』などが挙げられる。


動物レクチンはでと進化系統樹の下から上までの実に幅広い領域において発見され、レクチン研究者の研究対象とされている。また、動物以外にも植物菌類由来の多くのレクチンが知られ、現在もその知見は年々増加している。

ウナギの血中に含まれるレクチンはヒトのO型赤血球を凝集する。1935年に日本のウナギがヒトのO型赤血球を凝集する事が報告されていた。

脚注

関連項目

外部リンク


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