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体育館
体育館(たいいくかん、gym、gymnasium)は、一般に屋内で行う様々なスポーツを行えるように設計されている施設。
概説
公共の屋内体育施設にはアリーナや柔剣道場などが単独で構成される単機能施設型、これらを組み合わせた屋内施設複合型、さらにテニスコートや野球場などの屋外施設も付帯する屋外施設併設型がある。プールやスケートリンク、トレーニングジムが併設されていることもある。公共の屋内体育施設の場合は一般利用と観客利用の2つの利用形態があり、大規模な観覧席を付設することもある。一方、学校の体育館は学校施設の一部である。
体育館の中心となるのがアリーナであり多目的利用が想定されている場合もある。学校の体育館では講堂としても用いられ、入学式や卒業式などの儀式的行事を行う際の会場となる。そのため、付帯設備としてステージや緞帳などが設けられていることも多い。式典の設営の際には床面保護のためフロアシートが張られる。学校によってはピアノや演台などが置かれていたり、放送設備が設置されている場合もある。
日本の学校の体育館は前述の通りアリーナとして多目的利用が想定されているが、興行(見せること)より、体育の授業や部活動などでのスポーツの試合を行うことが重視され、観戦するための客席やスペースは確保されていないことが多い。
なお、体育館は災害時には避難所として使用されることがある。また、日本では国政選挙や地方選挙の投票所に指定されることも多い。その場合には机やパイプイスを使用することになるため床面保護のフロアーシートが敷かれる。
構造
多くの体育館は鉄骨コンクリート工法により、他の工法では不可能な鉄骨による長大スパンを実現しており、柱のない空間を実現している。
構成
アリーナ
体育館はアリーナを中心に構成され、規模の大きい体育館では建物内にメインアリーナやサブアリーナなど複数のアリーナを有する。一般に天井が高い設計になっており、柱のない広い空間が作られている。
アリーナの平面計画の設計で考慮される競技は、一般的にバスケットボール、バレーボール、バドミントン、卓球であるが、これにテニスやハンドボールなども含むことがある。
- 床
- アリーナの床は鋼製床組上にフローリング材を敷いているものが多い。ウレタン樹脂などの塗装が施されている。規模が大きく各種スポーツの全国大会などが開催される公共の体育館などでは、特に床面のメンテナンスに細心の注意が払われておりグリップを考慮しながら床面の塗装と研磨が繰り返される。
- ただ、バレーボールなどの床に滑り込むプレー中に、ささくれた床板がはがれ体に突き刺さる事故が、日本国内で相次いでいることが判明し、消費者庁の消費者安全調査委員会が2015年に調査の開始を決定した。
- 床には対象競技に応じて数種類のコートラインが引かれ、バレーボールやバドミントンのポールを立てる穴(床金具)が設置されている。球技用コートラインは、バスケットボール、6人制バレーボール、9人制バレーボール、バドミントン、ハンドボール、フットサルなどのコートラインが描かれることが多い。このほかテニス、ポートボール、インディアカ、ゲートボール、綱引などのコートラインを入れている体育館もある。
- アリーナ部分を分割使用するため防球ネットを張ることもある。
- その他、鉄棒(床金具式)、肋木、吊縄(クライミングロープ)などが設置されることもある。
- 観覧席
- アリーナの周囲には器具庫などの付帯設備が設置されるため、観覧席の多くはこれらの上の階に固定席を巡らせるように配置する方式が多い。
- 器具庫
- 器具庫等の収納には、各種ボール(ボールかご)、各種ネット及びネット用支柱(バドミントン用等)、各種ゴール(フットサル用、ハンドボール用等)、審判台(バレーボール等)、得点板、体操器具、卓球台などを収納する。
武道場
体育館の武道場には柔道場、剣道場、弓道場などが設置される。屋内施設複合型の体育館の場合は柔剣道場などが施設の一部となっている。
主要な体育館
日本
この節では、国立及び都道府県立のみを解説する。