創造性（creativity ）とは、何らかの新しく価値のあるものが作り出される事象である。創られたものには、無形のもの（観念、科学理論、作曲、冗談など）もあれば、物体（発明、印刷された文学作品、絵画など）もある。
概要
創造性への学術的関心は、数多くの学問分野、主には心理学や、商学、認知科学にだが、教育や、人文科学、科学技術、工学、哲学（特に科学哲学）、神学、社会学、言語学、諸芸術、経済学、数学においても見られ、創造性と一般的知能・性格型・心的及び神経的過程・心の健康・人工知能との関係や、教育と訓練を通じて創造性を育む可能性、国の経済的利益のための創造性の促進、教育と学習の有効性を改善するための創造的資源の活用を扱っている。創造性がなければ、飛行機はおろか、衣服やインターネットなどの基本的な生活用品も発明されなかったと考えられているため、創造性については多くの研究がなされている。
神経科学における見解
前頭葉に障害のある人は、創造性が損なわれている可能性がある。創造的な人は、脳の活動パターンが非常に異なっているのである。そして、創造性は3つの脳内ネットワークで構成されていると言われている。まず、学習の集中に使われる実行注意ネットワークは、外側前頭葉と後頭頂葉にあり、想像力にとても使われる前頭前野のデフォルトネットワークは、学習中に約25分ごとに5分間の休憩を挟んで活性化すると言われている。もう一つのネットワークは、背側前帯状皮質の顕著性ネットワークで、創造的なアイデアとそうでないアイデアの選別に使われる。
人間の脳は他の動物よりも柔軟であるため、他の動物がほとんど反射的な行動しかできない代わりに、人間はより創造的である。脳の専門家によると、動物には発明ができないと思っているのなら、残念ながらその通りである。心理学者によると、人間の創造性には4つの段階があり、まず問題を発見する必要性があり、次に熟考する必要性があり、次に突然アイデアを思いつき、最後にそのアイデアをテストする必要性があるとされている。また、「フロー」という類似の概念も、創造性を理解する上で一役買っている。脳科学では、人はフローにあるときに最も創造性が発揮されると認識されている。
創造的な人間の特性
創造性は、新しい分野に挑戦するときや変化を求めるときに、無能感に怯えないことと関連している。したがって、社会的な協調性の欠如や非集団性の傾向は、新しい経験に対する開放性と同様に、高い創造性と関連している。内気で内向的な人は、外向的な人よりも自分の意見を変えやすいので、内気な人も信じられないことに、外向的な人よりも比較的創造性が高いのである。また、科学者が既得権益者になってしまうと、新しい研究成果に照らして考えを変えることが特に難しくなる。科学革命によれば、科学活動全般の進歩の過程で、研究手法や科学全体の大前提が変わるパラダイムシフトがしばしば起こる。そして、この大前提の変化は、通常、若手や他分野の専門家によってもたらされる。このため、若い人や他分野の専門家は特に有用であるはずである。短期記憶の乏しい人は、情報を蓄積するワーキングメモリを過去の経験に譲り、今目の前にある一見無関係な現象と過去の出来事とのつながりを発見しがちである。新しいことを覚えるのが遅い人は、新しいことを覚えるのが早い人よりも、その学習過程から予想外の発見をする可能性が高い。
創造性の向上
運動は創造性を高める効果があり、特に早い時間帯に行うと効果的である。専門家は、漫然と過ごすと創造性や問題解決能力が高まるため、やるべき仕事を先延ばしにしない限り、問題解決の方法として漫然と過ごすことや海外旅行を強く推奨しているという。また、本を読んだり、経験を積んだり、創造的な人たちと一緒にいたり、いろいろな見方をすることも、創造性を高めることにつながるそうである。
人工知能
人工知能の創造性は、デザイン思考の方法論と関連している。
発明的問題解決理論
TRIZとは、ロシア語で発明的問題解決理論の頭文字をとったもので、創造性に関する研究史の軌跡のもう一つのページであり、発明的問題解決理論は、今日でも創造性を研究する学界で評価されている。TRIZという理論は、つまり発明に対する方法論を列挙して、一つ拡張すれば、しばしば他の利便性を犠牲にするという考えに着目し、発明したものの利便性を拡張すると同時に、犠牲を少なくすればより創造的になるとされている。