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呼吸数
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呼吸数(こきゅうすう、英: Respiratory rate;ventilatory frequency; respiration rate; rate of breathing; respiratory rate; respiratory frequency; frequency of respiration)とは、単位時間当たりに行われる呼吸の数。
概要
医療、看護、介護の分野で、患者、利用者の健康状態を把握するためのバイタルサイン・チェック項目のひとつ。血圧、脈拍、体温とともに数値で計測、判断する。
測定
呼吸数の測定は、目視や聴診器のほか、心電図で判断する方法などもある。通常、心身ともに安静な状態で測定する。歩行や入浴、各種処置でどのように変化するかを見る場合もある。
実際の呼吸数の測定では、胸壁の上下運動を数える。吐く息、吸う息合わせて1回と数える。測定時、年齢、平常時の呼吸の状態、姿勢、体位、身体運動や情動の状態、疾患、薬物使用の有無などが影響するため、事前に確認する。
正常範囲
安静時の健康な成人の平均的な呼吸数は、毎分12~20回、1回換気量(深さ)は450~500mlである。年齢別平均呼吸数は以下のとおり。
年齢 | 回数 |
---|---|
6週間(新生児) | 30~60回/分 |
6ヶ月 | 25~40回/分 |
3歳 | 20~30回/分 |
6歳 | 18~25回/分 |
10歳 | 17~23回/分 |
成人 | 12~18回/分 |
65歳以上の高齢者 | 12~28回/分 |
80歳以上の高齢者 | 10~30回/分 |
呼吸の観察のポイント
呼吸の観察では、呼吸の数、その深さ、リズムを見る。測定・観察の際には、以下の点に留意。
- チアノーゼの有無、意識レベル、発熱、喘鳴、息苦しさ、胸痛、頭重感、姿勢、せき、たん、脈拍の変化などについて、同時に観察する。
- 呼吸数は、精神的に興奮したり、心不全や呼吸不全があると増加する。
- 浅い呼吸と深い呼吸を交互に繰り返すときは、脳血管障害など中枢障害を疑う。
- 下顎呼吸があるときは、生命予後が悪い(死が近い)ことが予測できる。
- 過呼吸症候群などの神経症では、正常でも呼吸が深くなることがある。
- 呼気と吸気の長さの比率は、吸気より呼気のほうがやや長く、吸気と呼気の間に休息期があるのがふつう。
- 胸(胸郭)の動きは左右均等で、吸気では広がり、呼気で縮小する。
異常呼吸
- 頻呼吸 - 呼吸数が24回/分以上。呼吸の深さ(換気量)はあまり変わらない。
- 徐呼吸 - 呼吸数が12回/分以下。呼吸の深さ(換気量)はあまり変わらない。
- 大呼吸 - 1回の深さ(換気量)が増加。呼吸数は変わらない。
- 浅呼吸 - 1回の深さ(換気量)が浅い。呼吸数は変わらない。
- 過剰呼吸(過呼吸)- 呼吸数、1回の深さ(換気量)ともに増加。
- 減弱呼吸(減呼吸)- 呼吸数、1回の深さ(換気量)ともに減少。
- チェーン・ストークス呼吸 - 無呼吸、または低換気と過換気が周期的。脳の酸素が欠乏状態にあるときなど。
- 無呼吸 - 呼吸が停止している状態。
脚注
関連項目
参考文献
- 「介護職員初任者研修テキスト 第3巻 こころとからだのしくみ」初版第4刷 一般財団法人長寿社会開発センター発行
- 株式会社メディカルシステム研修所 呼吸におけるモニタ誌上講座