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急性喉頭蓋炎
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Epiglottitis | |
---|---|
分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 |
呼吸器学 |
ICD-10 | J05.1 |
ICD-9-CM | 464.3, 476.1 |
DiseasesDB | 4360 |
MedlinePlus | 000605 |
eMedicine | emerg/169 emerg/375 ped/700 |
Patient UK | 急性喉頭蓋炎 |
MeSH | D004826 |
GeneReviews |
急性喉頭蓋炎(きゅうせい・こうとうがいえん、英: acute epiglottitis)は、喉頭蓋の細菌感染による上気道疾患である。重症例では急速に進行し、予期せぬ窒息を来たすことがある。なお、単に喉頭蓋炎と言った場合もほとんどはこの急性喉頭蓋炎を指す。感冒との鑑別が困難なことが多い。
疫学
小児(2 - 5歳程度)に多いが成人例も散見される。細菌感染が主である。インフルエンザ菌b(Hib)による症例が多く、次いで肺炎球菌、溶連菌がみられる。
欧米諸国ではHibワクチンのため、小児のインフルエンザ菌による髄膜炎・喉頭蓋炎は減少している。ワクチンの効果を失った成人患者の割合が増加している。
症状
- 咽頭痛(sore throat)
- 嚥下痛(odynophagia, swallowing pain)
- 嚥下困難
- 流涎(りゅうぜん・涎を垂れ流すこと)
- 発熱(fever)
- 構語障害 (dysphonia)
- 吸気性喘鳴 (stridor)
- 呼吸困難(dyspnea): 窒息にいたることもある
- 嗄声(hoarse): いわゆる「しゃがれ声」「ハスキーボイス」
- 含み声: muffled voiceとも呼ばれる、マフラーを巻いたような声。hot potato voice という口腔に何かを含んでいるような声もみられる。
検査
- 頸部側面X線写真: 気道と喉頭蓋、頸部軟部組織の形態を評価する。X線写真上で肥大した喉頭蓋は「thumb sign」と呼ばれる。
治療
- 抗生物質の投与。嚥下困難があるため、経静脈投与が主体となる。
- 喉頭蓋の腫脹がひどい時には、経静脈的にステロイドを投与し、浮腫を軽快させ気道を広げる治療も行われる。
- 気道管理を要する喉頭蓋炎入院患者3757例を対象に、全身性コルチコステロイド(systemic corticosteroid; SCS)治療と転帰改善の関連を後ろ向きコホート試験で検討したところ、1986例が入院後2日以内にSCS治療を受けていた。主要評価項目に定めたあらゆる原因による30日院内死亡率は、全体が1.9%、SCS治療実施群が0.9%、対照のSCS治療非実施群が3.1%だった(加重オッズ比0.28、95%CI 0.11-0.70、加重リスク差-2.2%)。
- 病勢によっては気管内挿管や緊急気管切開が行われることもある。着手が遅れると、死亡したり、後遺症が残ることがある。
引用・文献
関連事項
- レミエール症候群
- 亜急性甲状腺炎
- 咽頭後壁膿瘍
- 扁桃周囲膿瘍-「熱いジャガイモが口に入っているような」声("hot potato" voice)がみられる
- 口底蜂窩織炎(Ludvig's angina)
- ジョージ・ワシントン - 急性喉頭蓋炎で亡くなったとの説がある。