有蹄類

この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。（このテンプレートの使い方） 出典検索?: "有蹄類" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL（2022年2月）

有蹄類（ゆうているい、Ungulata）は、哺乳類のうち、蹄（ひづめ）を持つグループ。

狭義には鯨偶蹄類と奇蹄類のみからなる単系統群（真有蹄類・鯨蹄類）を指す。この分類階級は大目。

長鼻類などを含む広義の有蹄類は単系統ではなく、現在は正式な分類群でもないが、かつては有蹄目・有蹄大目・有蹄上目などの分類階級が与えられることもあった。派生形質でまとめられた分類ではあるが、平行進化によるものであり、多系統である。

有蹄類（狭義・単系統群）
左上からキリン、アメリカバイソン、ヒトコブラクダ、アカシカ、イノシシ、シャチ (クジラ類)、 サバンナシマウマ、インドサイ、ブラジルバク
分類
界 : 動物界 Animalia 門 : 脊索動物門 Chordata 亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata 綱 : 哺乳綱 Mammalia 亜綱 : 獣亜綱 Theria 下綱 : 有胎盤下綱 Placentalia 上目 : ローラシア獣上目 Laurasiatheria 階級なし : 有蹄類 Ungulata
学名
Ungulata Linnaeus, 1766
シノニム
Cetungulata Irwin & Wilson, 1993 Euungulata Waddell et al., 2001
英名
Ungulate
下位分類群
Mesaxonia類 †Phenacodontidae科 †アントラコブネ類Anthracobunia †アントラコブネ科 Anthracobunidae †束柱目Desmostylia(?) Panperissodactyla類 †滑距目Litopterna †南蹄目 Notoungulata 奇蹄目 Perissodactyla Paraxonia類 †Arctocyonia目 †メソニクス目 Mesonychia †Dichobunoidea上科 †Mixtotheriidae科 †Dichobunidae科 †Helohyidae科 †Cebochoeridae科 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla

現生目の分類の変遷

伝統的な分類体系において、現生では偶蹄目、奇蹄目、長鼻目が含まれた他、多くの絶滅目が属すとされた。また広義には、不完全かつ原始的な蹄を持つイワダヌキ目、管歯目（ツチブタ目）、痕跡的な蹄を持つ海牛目（ジュゴン目）を含めた。このうち偶蹄類と奇蹄目が近縁であると言う説は古くから根強く、その2目をのみを（近縁な化石目と共に）有蹄上目としてまとめるか、有蹄目を置き偶蹄亜目・奇蹄亜目等をその下に置くことも多かった。

2000年代以降に発達した分子系統解析に基づく現在の哺乳類の大分類では、これらの分類群が2つの系統に大きく分かれることが判明している。

• ローラシア獣類 - 偶蹄目、奇蹄目が含まれる
• アフリカ獣類 - 長鼻目、イワダヌキ目、管歯目、海牛目が含まれる

アフリカ獣類に属する目のうち、長鼻目・イワダヌキ目・海牛目は近蹄類 (Paenungulata)、管歯目は原蹄類 (Protungulata) に（近縁な化石目と共に）分類され、共におそらく単系統である。

伝統的な分類による広義の有蹄類の単系統性が分子系統によって否定された後は、分子系統で単系統群と判明している鯨偶蹄目と奇蹄目からなるクレードを有蹄類と再定義されることが多い。この意味での有蹄類を真有蹄類 (Euungulata) や鯨蹄類 (げいているい、Cetungulata) と呼ぶこともある。一方で鯨偶蹄目と奇蹄目は姉妹群ではなく、やや離れていると考える説（例えばペガソフェラエ類）もあり、2010年代においてローラシア獣類の内部系統については結論が得られていない。

再定義された有蹄類の系統的位置

化石目の分類

化石目を含む分類は以下の通り。（有蹄類に含まれる目のみを示す。）

• 有胎盤類 Placentalia
  • アフリカ獣類 Afrotheria
    • 管歯目 Tubulidentata
    • 岩狸目 Hyracoidea
    • 重脚目 Embrithopoda †
    • 海牛目 Sirenia
    • 束柱目 Desmostylia †
    • 長鼻目 Proboscidea
  • 北真獣類 Boreoeutheria
    • ローラシア獣類 Laurasiatheria
      • 恐角目 Dinocerata †
      • 顆節類 Condylarthra †
      • 奇蹄目 Perissodactyla
      • 鯨偶蹄目 Artiodactyla
      • 滑距目 Litopterna †
      • 南蹄目 Notoungulata †
      • 輝獣目 Astrapotheria †
      • 異蹄目 Xenungulata †
      • 火獣目 Pyrotheria †

特徴

ここでは、現生の蹄の発達した有蹄類である、偶蹄類・奇蹄目・長鼻目について述べる。

ひづめを持ち、蹄行性である。かかとは地面に付かない。ほとんどの場合、指は5本より減っている。

大型の草食動物であり、セルロースを消化できる。脊椎動物共通の性質として有蹄類も生化学的にはセルロースを分解できないため、分解は腸内細菌によるものである。腸内細菌の所在など細部の機構は目により異なる。