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犬走り
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犬走り(いぬばしり)とは、垣と溝の間や土手の斜面に設けられた細長い通路や平地部分。犬が通れるくらいの幅しかないという意味合いから呼ばれる。
種類
築地の犬走り
築地とその外側の溝との間に設けられた平地をいう。狭いものは犬走り、広いものは「堧地」(ぜんち)という。
城郭の犬走り
城の石垣や土塁と、堀の間に設けられた狭い空き地をいう。彦根城、岸和田城など多くの城で見られる。また石垣を持たない城の土塁の上に柵・塀が築かれている場合、柵・塀の外側に狭く残された土塁上面も犬走りと呼ばれる。敵に侵入の足掛かりを与えてしまうなど、防御の面からは決して有利とはいえない構造だが、石垣・土塁の崩落を防ぐための構造的理由で設けられたという見方がある。なお、石垣・土塁の内側に設けられた小径は「武者走り」と呼ばれ、若松城などに類型が見られる。沖縄のグスクに見られる石垣天面の通路も犬走り(または武者走り)と呼ばれる。
土手の犬走り
土手、堤防などの傾斜上に設けられた平地。土砂の流入を防ぎ、監視員の歩行路ともなる。
また、ダムの型式の一つであるロックフィルダム(岩石を積み重ねて建設されたダム)やアースダム(盛土をして建設されたダム)の中腹にも犬走りは設けられていて、ダムの管理用通路として自動車も通行している。この場合は、緩やかなつづら折りとなっていることが多い。なお、ダムの管理用通路の名称には、「キャットウォーク」と呼ばれるものもある。
山腹の犬走り
道路工事や治山工事など法面の山腹工事において設けられる段。
線路の犬走り
鉄道の線路における犬走りは路盤の上面、線路と同水準に設置され、保線作業員の通路などに使われる。
軒下の犬走り
建物の軒下の外壁周縁部を砂利敷きやコンクリートを打ったもの。構造物保護のために設けられる。
脚注
関連項目
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