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球果植物
球果植物 | |||||||||||||||
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ヨーロッパアカマツ Pinus sylvestris
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地質時代 | |||||||||||||||
石炭紀 - 現代 | |||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||
Pinophyta Pinopsida Pinales | |||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||
conifer | |||||||||||||||
科 | |||||||||||||||
球果植物(きゅうかしょくぶつ、学名:Pinophyta、シノニム:Coniferophyta)は、裸子植物のうち、その種子がかさ状の構造に包まれるもの(毬果植物類)を指す。マツ門ともいう。スギやヒノキ、マツ類といった、いわゆる針葉樹植物(コニファー)はこのグループに含まれる。現生種はすべて木本である。
形態
果実は一般に球果と呼ばれる鱗片状の構造が集まったものであり、種子は風によって散布されるために翼を持つものが一般的である。ただし、ヒノキ科やイチイ科の一部は球果を作らないものがある。これは動物に散布してもらうように進化した結果と考えられている。また、マツ科には球果を作るものの動物に散布することを期待して翼を持たないものがある。
生態
この仲間の樹木の根は菌類と共生し、菌根を形成するものが多い。菌根の種類がグループによって異なりマツ科やナンヨウスギ科は外生菌根、マキ科やヒノキ科はアーバスキュラー菌根を形成するのが一般的である。樹木にとっては菌根を形成することで、土壌中の栄養分の吸収促進や菌類が作り出す抗生物質等による病原微生物の駆除等の利点があり、菌類にとっては樹木から光合成産物の一部を分けてもらうことができる。土壌中には菌根から菌糸を介し同種他個体や他種植物に繋がる広大なネットワークが存在すると考えられている。特に外生菌根を形成する菌類の子実体は人間がキノコとして認識できる大きさに育つものが多く、中には食用にできるものもある。
マツ科モミ属と共生するLactariusu salmonicolor(ベニタケ科)の子実体
山火事に適応し、強熱を浴びたときにだけ球果の開閉をするものが火災が頻発する地域に分布するマツ科とヒノキ科の一部に知られている。このような球果を晩生球果(英:serotinous cone)などと呼ぶ。
人間との関係
下位分類
6科に分かれる説をもとに記述する。研究者によって若干の相違がある。
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マツ綱 (学名 Pinopsida) - マツ目だけから成る単型(モノタイプ)の綱である。
- マツ目 (学名:Pinales) - 以下の科からなる。
- マツ科 Pinaceae
- 北半球を中心に分布し、現代で最も栄えていると考えられているグループである。マツ属(Pinus)、カラマツ属(Larix)、モミ属(Abies)、トウヒ属(Picea)、ツガ属(Tsuga)などを含む。菌根は一般に外生で共生した菌類の子実体はキノコとして食用にできる種類も多数知られている。
- マツ科の樹木は日本にも多くが分布しなじみ深いものが多い。荒れ地に育つアカマツ(Pinus densiflora)、北国や山岳地帯に分布するカラマツ(Larix kempferi)、トドマツ(Abies sachaliensis)、エゾマツ(Picea jezoensis)、温帯に分布するツガ(Tsuga sieboldii)などはいずれもマツ科に含まれる。林業用として重要な樹木が多く含まれ、欧米諸国を中心に広く利用されている。天然分布しない南半球の国々でもマツ科樹木が移入され林業に用いられているところがある(ニュージーランドにおけるラジアータマツ(Pinus radiata)が有名)。日本でもヒノキ科のスギ・ヒノキに次ぐ重要樹種として北部や山岳地帯を中心にカラマツ、また北海道を中心にトドマツが植栽されている。アカマツもかつてはよく植栽されたが致命的な伝染病であるマツ材線虫病(マツ枯れ、pine wilt)の国内での流行に伴い新規の植栽面積は激減した。
- ナンヨウスギ科 Araucariaceae
- 次のマキ科と共に南半球で進化し繁栄しているグループである。日本に分布している種類は一種類もなく比較的なじみが薄い。菌根は一般に外生と言われる。
- マキ科 (イヌマキ科)Podocarpaceae
- ナンヨウスギ科と共に南半球で進化し繁栄しているグループである。菌根は一般にアーバスキュラー型
- 日本は分布の北限にあたりイヌマキとナギの2種のみが分布する。マキ科の一部をフィロクラドゥス科(Phyllocladaceae)として独立させて考える研究者もいる。
- コウヤマキ科 Sciadopityaceae
- コウヤマキ属のみからなる単型の科である。コウヤマキ属もコウヤマキだけの単型の属であるためコウヤマキ科には1種しか含まれていない。
- ヒノキ科 Cupressaceae
- 温帯を中心に両半球に分布するグループ。比較的古くから存在し遺存的なグループであると見られており、ヒノキ科の下位分類は単型の亜科や属となるものが多い。菌根は一般にアーバスキュラー型。
- 北海道と沖縄を除き日本で最も身近な針葉樹であるスギとヒノキが含まれる。軟らかく加工しやすい木質、真っ直ぐ伸びて柱にして歩留まりのいい樹形、比較的腐りにくい耐久性などが評価され国内では昔から盛んに植林されてきた。
- イチイ科 Taxaceae
- イチイ、イヌガヤ、カヤなどが含まれる。一部をイヌガヤ科として独立させて考える研究者もいる。
マツ目の系統分類
- 英語版より。
マツ科 Pinaceae |
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脚注
関連項目
外部リンク
- "Coniferophyta". National Center for Biotechnology Information (NCBI) (英語). (英語)
- "Pinophyta" - Encyclopedia of Life (英語)