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過テクネチウム酸塩
過テクネチウム酸塩(かテクネチウムさんえん、英: pertechnetate)は、オキソアニオンである過テクネチウム酸イオン TcO4- を含む化合物である。放射性元素であるテクネチウム Tc の便利な水溶性塩として用いられる。特に、いくつかの核医学検査で一般的に使われる 99mTc(半減期6時間)の運び屋として用いられる。
過テクネチウム酸塩は過テクネチウム酸の塩である。過マンガン酸塩のアナログであるが、酸化力は低い。
99mTc の運び屋としての過テクネチウム酸塩の使用
テクネチウム99mジェネレータ (別名: cow) は、医療用の半減期が短い放射性同位体 99mTc を含む過テクネチウム酸塩を供給する。99mTc はジェネレータの中でアルミナに担持された 99MoO42- から直接発生する。過テクネチウム酸塩は、甲状腺上皮細胞中の Na/I Symporter (NIS) チャネルのヨウ素を置換できるので、甲状腺上皮細胞へのヨウ素の取り込みを阻止することができる。99mTc-過テクネチウム酸塩は甲状腺の画像診断に用いられる。
メッケル憩室の診断で行われるように、99mTc で標識された過テクネチウム酸塩は、異所性胃組織の検査のために投与されるマーカーでもある。この画像診断法は、別名“メッケルスキャン”として知られる。
放射能を利用しない過テクネチウム酸塩の使用
すべてのテクネチウム塩は穏やかな放射能をもっているが、その一部は化学的性質について研究されている。これらの利用においてはその放射能は付帯的で、通常最小の放射能の(最も半減期が長い)Tc が用いられる。特に核医学検査に利用される 99mTcの崩壊生成物であり、その核異性体でもある 99Tc(半減期211,000年)が腐食研究に用いられる。理論的には、最長の半減期をもつ 97Tc(半減期260万年)が最適な同位体であるとされる。
過テクネチウム酸塩の溶液は、鉄の表面で反応し酸化テクネチウム(IV)を形成するため、陽極の防食剤として働くことができる。