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齧歯目
齧歯目 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Rodentia Bowdich, 1821 | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
齧歯目 |
齧歯目(げっしもく、Rodentia)は、哺乳綱に分類される目。別名ネズミ目。現在のところ地球上で最も繁栄している哺乳類で、南極大陸を除く全ての大陸、およびほぼ全ての島に生息する。2005年時点の分類で現生種は2277種(481属33科)で現生哺乳類の42%を占め、絶滅した化石種も含めると1200属以上、53科にもなる。
特徴
齧歯類の動物は、物をかじるのに適した歯と顎を持ち、上顎・下顎の両方に伸び続ける2つの門歯があり、犬歯を持たないことが特徴である。この門歯は物をかじることで次第に削れてゆき、長さを保っている。漢語名齧歯目、および学名「Rodentia」はラテン語で「かじる(齧る)」という意味のrodereから来ている。歯は木を削ったり堅果類の皮をかじったり身を守ったりするために使われる。齧歯目の動物の多くは、種子などの植物質を食料とするが、魚や昆虫を主食とする種もわずかに存在している。なお他の哺乳類とは異なり、齧歯目では嘔吐反射が見られない。
南極大陸とニュージーランドを除く世界各地に自然分布している(ニュージーランドには外来動物として生息するようになっている)。オーストラリアを除く各地域では、種類数・個体数ともに多く、外形・習性変化も多様性に富んでいる。約2400種が知られており、全4千数百種程とされる哺乳類の種数の半分を占める最大のグループである。いわゆる「ねずみ算」という言葉を生んだほど、非常に繁殖力が強い種が多い。
概して小さいものが多く、なかでもアフリカンドワーフマウスは体長6cm、体重7g程度しかない。一方、大きいものでは、現生種最大のカピバラが45kg程度である。
化石種としては、1999年に南米ベネズエラで全身化石が発見された第三紀後期のフォベロミス・パッテルソニ Phoberomys pattersoni が最大で、体高 1.3 m(尾まで含めた体長は3 m)、体重 700 kg程度あったと考えられている。
分類
兎形目の姉妹群と考えられており、現生ではこの2目でグリレス類(Glires)を構成する。以前は兎形目を本目に含めることもあった。
伝統的にはリス形亜目・ネズミ形亜目・ヤマアラシ形亜目の3亜目とする分類や、咬筋の発達の仕方による原齧歯型・リス型・ヤマアラシ型・ネズミ型の4分類、下顎の形態からリス顎亜目Sciurognathi(原齧歯形下目Protrogomorpha・リス形下目Sciuromorphaなどを含む)・ヤマアラシ顎亜目Hystricognathi(デバネズミ形下目Bathyergomorpha・テンジクネズミ形下目Caviomorphaなどを含む)の2亜目とする分類もあったが、2005年に発表された分類体系では以下の5亜目とされた。和名は、川田ほか (2018) に従う。
- ウロコオリス形亜目 Anomaluromorpha
- ビーバー形亜目 Castorimorpha
- ヤマアラシ形亜目 Hystricomorpha
- ネズミ形亜目 Myomorpha
- リス形亜目 Sciuromorpha
一方で2019年には、分子系統解析によりウロコオリス形亜目・ビーバー形亜目・ネズミ形亜目が単系統群とすることが支持されたことでこれらが下目相当とされ、Anomaluromorphi・Castorimorphi・Myomorphiの3下目を含める亜目としてSupramyomorphaが提唱された。同年にはリス形亜目に相当する分類群に対してEusciuridaの学名が提唱された。以下の分類は、Flynn et al. (2019) に従う。
- 亜目 Eusciurida(以前のリス形亜目を含む)
- 亜目 Supramyomorpha(以前のウロコオリス形亜目、ビーバー形亜目、ネズミ形亜目を含む)
- ヤマアラシ形亜目 Hystricomorpha
下位系統
系統はFabre et al. (2012)、和名は注記がない限り川田ほか (2018)。
齧歯類と伝染病
齧歯類は、伝染病の生物学的な媒介者となることがある。ペストの例は、公衆衛生が発達した2000年代においても世界的に年間数千人規模の患者が発生し、時にはアウトブレイクも発生するなど病気の撲滅が達成されていないが、これは野生のネズミ目が広大な地域に分布し、対策が難しいためである。
脚注
参考文献
- Marcelo R. Sánchez-Villagra, Orangel Aguilera, Inés Horovitz (9 2003). “The Anatomy of the World's Largest Extinct Rodent”. Science 301 (5640): 1708-1710. doi:10.1126/science.1089332.
- Shani Blanga-Kanfi, Hector Miranda, Osnat Penn, Tal Pupko, Ronald W DeBry, and Dorothée Huchon (2009), “Rodent phylogeny revised: analysis of six nuclear genes from all major rodent clades”, BMC Evolutionary Biology 9: 71, http://www.biomedcentral.com/1471-2148/9/71/ 2014年5月3日閲覧。