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クサウラベニタケ
クサウラベニタケ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Entoloma sp. | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
クサウラベニタケ |
クサウラベニタケ(臭裏紅茸)は、ハラタケ目イッポンシメジ科イッポンシメジ属イッポンシメジ亜属に属するキノコの一種。
クサウラベニタケと称されている種については、異なる複数の種が混在しているとの指摘があった。従来の学名は Entoloma rhodopolium (Fr.) P. Kummer f. rhodopolium であったが、2019年の研究では否定されており、従来未記載だった3種の総称であることが判明した(⇒#分類)。
なお、茨城県など一部地域では地方名でクサウラベニタケを「ツキヨタケ」と呼んでいる(標準和名のツキヨタケはホウライタケ科のキノコで別種)。
形態
かさは径3cmから10cmで吸水性があり、湿時には帯褐灰色で粘性を示すが、乾くと灰白色となり、絹糸状の光沢を示す。ひだはやや密で、若いときは白いが、老成するにつれ淡紅色になる。肉は白色で無味、変色性を欠き、名前通りの不快臭がある。柄は汚白色で平滑、多くは中空であるが、ときにやや充実または不明瞭な髄を有する。
胞子紋は帯褐桃色を呈し、担子器は4個の担子胞子を着ける。担子胞子はいずれの方向から見ても不規則な多角形をなし、しばしば油滴を含み、薄壁である。
生態
夏から秋にかけて広葉樹(ブナ属・コナラ属・カンバ属・シデ属、あるいはクリ・マテバシイなど)や、広葉樹と針葉樹(マツ属・モミ属・トウヒ属など)との混淆林内の地上に孤生~群生する。
分類
クサウラベニタケについては、未知の種を含めて異なる複数の種が混在しているとの指摘があった。
国立医薬品食品衛生研究所生化学部の近藤一成らがPCR-RFLP法による 日本産の「クサウラベニタケ」の分子系統解析を実施したところ、「クサウラベニタケ」は3つのクレードに分類されたが、ヨーロッパ産の E. rhodopolium とは一致しなかった。これら3種はコガタクサウラベニタケ(E. lacus)、クサウラベニタケモドキ(E. subrhodopolium)、ニセクサウラベニタケ(E. pseudorhodopolium)と命名された。これらはウラベニホテイシメジ(E. sarcopum)とははっきりと判別可能であり、クサウラベニタケモドキとニセクサウラベニタケが毒性を持つことが判明した。また、北海道に自生する類似種はこれら3種とは一致せず、E. eminens 及び未記載種であることが判明した。
毒性
以下の記述については、従来の「クサウラベニタケ」として取り扱う。
カキシメジやツキヨタケと並んで最も中毒例の多い毒キノコのひとつである。食用種のウラベニホテイシメジやカクミノシメジ、シメジモドキ(ハルシメジ)、ホンシメジなどとよく似ており、中毒例が多い。毒成分は、溶血性タンパク、コリン・ムスカリン・ムスカリジン など。
自己採集したきのこによる食中毒の他に、路上販売や卸売り市場を経由した流通販売によるきのこでも中毒例が報告されている。
クサウラベニタケとウラベニホテイシメジとを正確に鑑別するには、グアヤクチンキ(グアヤク樹脂のエチルアルコール溶液)及び硫酸バニリンとの反応を見るのがよい。クサウラベニタケは前者と反応して緑色に変色し、後者とは反応しない(ウラベニホテイシメジは前者とは反応せず、後者に反応して赤紫色に変色する)。
年 | 発生件数 | 摂食者総数 | 患者数 |
2000年 | 9件 | 46人 | 41人 |
2001年 | 3件 | 11人 | 11人 |
2002年 | 13件 | 43人 | 42人 |
2003年 | 6件 | 76人 | 53人 |
2004年 | 18件 | 51人 | 50人 |
2005年 | 6件 | 21人 | 17人 |
2006年 | 6件 | 15人 | 15人 |
2007年 | 11件 | 41人 | 36人 |
2008年 | 6件 | 25人 | 22人 |
2009年 | 2件 | 13人 | 11人 |
脚注
参考文献
- 池田良幸『北陸のきのこ図鑑』ISBN 4893790927
- 長沢栄史『日本の毒きのこ』 ISBN 4054018823
- 自然毒のリスクプロファイル:クサウラベニタケ 厚生労働省
外部リンク
- クサウラベニタケ - 厚生労働省
- クサウラベニタケ(毒)イッポンシメジ科 - 東京都福祉保健局
- 鈴木久美子, 采輝昭, 山崎幹夫「クサウラベニタケの毒性成分の研究(第2報) : 溶血素の精製と溶血条件の検討」『藥學雜誌』第108巻第3号、日本薬学会、1988年、221-225頁、doi:10.1248/yakushi1947.108.3_221、ISSN 0031-6903、NAID 110003648632。