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二酸化ケイ素
この記事は、全部または一部が他の記事や節と重複しています。 具体的にはシリカとの重複です。記事のノートページで議論し、
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二酸化ケイ素 | |
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二酸化ケイ素 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 7631-86-9 (シリカ), 14808-60-7 (石英), 14464-46-1 (クリストバライト), 15468-32-3 (鱗珪石), 112926-00-8 (シリカゲル、沈降シリカ), 60676-86-0 (石英ガラス) |
日化辞番号 | J43.598H |
E番号 | E551 (pH調整剤、固化防止剤) |
KEGG |
C19572 (非晶質) C16459 (石英) D06521 (無水) |
特性 | |
化学式 | SiO2 |
モル質量 | 60.1 g/mol |
外観 | 白色の粉末 |
密度 | 2.196 g/cm3 (石英ガラス) 結晶の密度は記事中の結晶構造の表を参照。 |
融点 |
1650 °C, 1923 K, 3002 °F (±75℃) |
沸点 |
2230 °C, 2503 K, 4046 °F |
水への溶解度 | 0.012 g/100 mL ( °C) |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) |
ICSC 0808(石英) ICSC 0809(クリストバライト) ICSC 0807(鱗珪石) 結晶質シリカ(石英) 結晶質シリカ (クリストバライト) 結晶質シリカ (トリジマイト) 非晶質シリカ (シリカゲル、沈降シリカ) 非晶質シリカ (石英ガラス) |
眼への危険性 | 場合によっては危険性がある。 |
NFPA 704 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
二酸化ケイ素(にさんかけいそ、英:Silicon dioxide)は、化学式SiO2で表されるケイ素の酸化物で、地殻を形成する物質の一つとして重要である。組成式はSiO2。シリカ(英: silica)、無水ケイ酸とも呼ばれる。圧力、温度の条件により、石英(英: quartz、水晶)以外にもシリカ鉱物(SiO2)の多様な結晶相(結晶多形)が存在する。 マグマの粘性を左右する物質でもある。
性質
結晶は共有結合結晶であり、ケイ素原子を中心とする正四面体構造が酸素原子を介して無数に連なる構造をしている。
- 結晶多形
二酸化ケイ素は温度や圧力をかけると結晶構造が変化する(相変態)を起こす。結晶構造などは次の一覧項で説明する。
- 温度を上昇させた時の相変化
- 常温常圧下ではα石英が安定だが、二酸化ケイ素は温度変化によって相変化を起こす。
- 以下に示す温度は常圧での温度であり、溶剤や圧力等により変化する。
- しかし、β‐トリディマイトは不純物の無いβ-石英からは転移せず、この形態を経由するには添加物を加える必要がある。そうしない場合、1050℃でβ-石英からβ‐クリストバライトに直接相変化する。
- 上記の様に説明したが、大抵はβ-石英から1550℃で直接溶融する。これはそれぞれの結晶を構成するSiO4正四面体が、頂点の酸素を共有して結合して3次元的なネットワークを形成しているが、その結合の仕方が各結晶構造で異なるため簡単に相変化が起きない為である。
- 温度を下げた時の相変化
- β-トリディマイトを急速に冷却すると、114℃でα-トリディマイトとなる。
- β-クリストバライトを急速に冷却すると、270℃でα-クリストバライトとなる。
- 圧力による相変化
- 500 ℃から800 ℃、2~3 GPa以上になるとコーサイトに、1200 ℃10 GPa以上でスティショバイトに転移する。
- ザイフェルト石は、既知の多形の中で最も高い圧力40GPaで発見されている。
Form | 結晶対称性 ピアソン記号, group No. |
ρ g/cm3 |
注釈 | 構造 |
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α-石英 α-quartz |
三方晶系 hP9, P3121 No.152 |
2.648 |
鏡像異性体があり、それぞれ左右方向への3回らせん軸対称 573℃でβ-石英に変態 |
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β-石英 β-quartz |
六方晶系 hP18, P6222, No. 180 |
2.533 | 鏡像異性体があり、それぞれ左右方向への6回らせん軸対称 | |
α-トリディマイト α-tridymite |
斜方晶系・単斜晶系 oS24, C2221, No.20 |
2.265 | 常圧下で準安定状態 | |
β-トリディマイト β-tridymite |
六方晶系 hP12, P63/mmc, No. 194 |
α-トリディマイトと相互に速やかに変態する β-トリディマイトは2010Kでβ-クリストバライトに変態する |
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α-クリストバライト α-cristobalite |
正方晶系 tP12, P41212, No. 92 |
2.334 | 常圧下で準安定状態 | |
β-クリストバライト β-cristobalite |
立方晶系 cF104, Fd3m, No.227 |
α-クリストバライトと相互に速やかに変態する 1978 Kで溶融する |
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キータイト 英: keatite |
正方晶系 tP36, P41212, No. 92 |
3.011 | Si5O10, Si4O14, Si8O16 環 ガラス状シリカとアルカリから600-900Kおよび40-400MPaで合成 |
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モガン石 英: moganite |
単斜晶系 mS46, C2/c, No.15 |
Si4O8 と Si6O12の環 | ||
コーサイト 英: coesite |
単斜晶系 mS48, C2/c, No.15 |
2.911 |
Si4O8 と Si8O16環 900 K と3–3.5 GPaで合成 |
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スティショバイト 英: stishovite |
正方晶系 tP6, P42/mnm, No.136 |
4.287 | シリカの多形体のうち最も密度の高いものの一つ ルチル型構造 7.5–8.5 GPa |
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ザイフェルト石 英: Seifertite |
斜方晶系 oP, Pbcn |
4.294 | シリカの多形体のうち最も密度の高いものの一つ 40 GPaで得られる |
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メラノフログ石 英: melanophlogite |
立方晶系 (cP*, P4232, No.208) または 正方晶系 (P42/nbc) |
2.04 |
Si5O10, Si6O12 環 包摂化合物(青色はキセノン) 高温相のβ-メラノフログ石がある |
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fibrous W-silica |
斜方晶系 oI12, Ibam, No.72 |
1.97 | 硫化ケイ素の様な鎖状 | |
英: 2D silica | 六方晶系 | シート状の2次元構造 |
利用
- ガラス
- 無機ガラスの主成分である。
- 医薬品・化粧品
- 「無水ケイ酸」などと呼ばれ食品添加物や化粧品などに用いられる。これについてはシリカ#食品添加物としての利用およびシリカ#化粧品・医薬品への添加を参照のこと。
- 加工品
- シリカゲル:乾燥剤
- シリカエアロゲル:断熱材
- フュームドシリカ:樹脂の補強、研磨剤、医薬品添加剤、増粘剤、農薬などの沈殿防止剤
- シリカヒューム:フェロシリコンの様な高温プロセスの副産物でヒュームドシリカより純度が低い。セメントに混ぜるポゾランとして利用される。
- 沈降シリカ:タイヤのゴムに、補強充填剤としてシリカが配合される。
- メソポーラスシリカ
- 石英ガラス:フラスコ、光ファイバーなど
- その他
- 陶器などの製造で石英が原材料として使用される。
- シリコンを作る際の原料(炭素還元法:)
反応
二酸化ケイ素はフッ化水素ガス(HF)やフッ化水素酸(HF(aq))と反応し、それぞれフッ化ケイ素(SiF4)、ヘキサフルオロケイ酸 (H2SiF6)を生ずる。
また、固体の水酸化ナトリウム(NaOH)と熱することによりケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)が生成する。ケイ酸ナトリウムに水を加えて熱すると水ガラスとなる。
埋蔵量
二酸化ケイ素(シリカ)は石英、珪砂、珪石などの形で産出する。天然の石英の資源量には限りがあるが、工業的には代わりに人工石英がもちいられる。珪砂や珪石の資源量は非常に潤沢であり、工業用の純度の高いものも世界中に広く分布する。
成熟した砂漠の砂にも多く含まれる。
危険性
粉体状のものを多量に吸入すると、塵肺の一種である珪肺の原因となる。ホークス・ネストトンネル災害などが発生し、鉱石採掘現場での労働災害が課題となった。シリカ結晶の粉体は、国際がん研究機関によりグループ1の「ヒトに対する発癌性が認められる」物質に指定されている。微粉末の吸入が問題なのであり、吸入しなければ問題は認められない。例えばある程度大きな結晶を素手で触れたとしても、それ自体は何ら問題ではない。
脚注
参考文献
- 黒田吉益、諏訪兼位「4.1 SiO2 鉱物 (Silica minerals)」『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年、66-72頁。ISBN 4-320-04578-5。
- 森本信男「10 シリカ鉱物」『造岩鉱物学』東京大学出版会、1989年、191-199頁。ISBN 4-13-062123-8。
関連項目
- シリカ
- ケイ酸
- ケイ酸塩
- ケイ酸塩鉱物
- アルミノケイ酸塩
- 衝撃石英(英: Shocked quartz)
- ゾルゲル法
- 鉱物 - 酸化鉱物
- 沸石(ゼオライト)
- 石綿(アスベスト)
- 富士シリシア化学
- ギンピ・ギンピ - 葉や枝に生えた毛の先端には二酸化ケイ素で出来た中空の構造物がある。
外部リンク
この節の加筆が望まれています。 |
- ケイ素、ケイ素化合物 - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
公害
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公害事件 |
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関連概念 |
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