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血清反応陰性関節炎

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血清反応陰性関節炎(seronegative arthritis)は、亜急性に関節炎を発症し、関節内に菌が認められず(化膿性関節炎ではなく)、その上リウマチ因子が陰性である疾患群をあらわす。これは必要条件であり、たとえばリウマチ熱ライム病もこの条件を満たすが血清反応陰性関節炎とは言わない。欧米人の患者では共通の遺伝的背景(HLA-B27)をもつことが多いことからHLA-B27関連関節炎とも呼ばれるが、これは日本人のようなアジア人の患者には必ずしも当てはまらない。また関節の中でも脊椎に特徴的に関節炎をおこしやすいことから血清反応陰性脊椎関節炎seronegative spondylarthritides、あるいは単に脊椎関節炎spondylarthritides、脊椎関節症spondyloarthropathy、などとも言われる。

確定診断といえるものはなく、診断は困難である。反応性関節炎と呼ばれることもあるが、これはより細かい病名にも使われるのであまり適切ではないと思われる。線維筋痛症の患者には、少なからずこの疾患を背景にして二次的に発病している者が含まれていることが明らかになりつつある。

但し、リウマチ因子が陰性である事が血清反応陰性関節炎と呼ぶ為の必要条件ではあるが、たとえリウマチ因子が陽性であっても、総合的に判断して、血清反応陰性関節炎に分類される各疾患だと診断する場合がある。当然、稀にリウマチと併発する場合もある。例えばリウマチでは指の第一関節に炎症が認められないが、乾癬性関節炎では第一関節に炎症が認められる事が多く、この様な場合リウマチ因子が陽性であっても乾癬性関節炎と診断される場合がある。

代表疾患

治療法

病態によっては(反応性関節炎などは特に)自然寛解もありえる。一方、強直性脊椎炎や乾癬性脊椎炎は難治性で、関節リウマチと同等の関節破壊を伴う。関節リウマチと同様にメトトレキサートを中心とした治療をおこなうほか、最近ではインフリキシマブエタネルセプトを用いた抗TNF-α療法も効果を示している。

参考文献

浦野房三『症例から学ぶ脊椎関節炎―強直性脊椎炎, 未分化型脊椎関節炎ほか―』新興医学出版社、2008年。ISBN 978-4-88002-684-8 



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