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陰茎癌

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陰茎癌(いんけいがん、英語: Penile cancer)は、陰茎の皮膚や組織内に発症する癌腫悪性腫瘍)である。主に亀頭包皮から発生する。オーストラリアで、発症率は年間25万人に1人である。アメリカで、発症率は年間10万人に1人である。デンマークで、発症率は年間10万人に0.8人である。日本では未承認であるが、予防のためにヒトパピローマウイルスワクチンの投与が多くの国で認可されている。

リスク要因

アメリカがん協会[1]によるとヒトパピローマウイルス(HPV)感染、年齢、AIDSが陰茎癌となるリスクとされる。また、不衛生も陰茎癌と関わり深い。 その他、硬化性苔癬閉塞性乾燥性亀頭炎)もリスク要因となりうる[2]

  • 割礼は、不潔な恥垢を溜めないので割礼を受けていない男性よりも、割礼を受けた男性の陰茎がん率がはるかに低いと報告されている。完全に陰茎癌を防ぐことはできないが、有効な予防とはされている。

症状・進行

陰茎癌を原因として放尿時に包皮や亀頭に疼痛がはしることがある。

陰茎癌は最初に癌の発生した原発部位であることが多く、転移巣である場合は少ない。また、他の悪性腫瘍と同様に体の他の部分へ転移する。病巣の拡大・転移の程度により以下の段階に分けられる(Jackson分類に由来):

  • Stage I - 亀頭およびまたは包皮だけの癌。
  • Stage II - 陰茎体への癌の拡大。
  • Stage III - 鼠径部リンパ節への転移を認めるが、手術可能。
  • Stage IV - 陰部以外への転移。
  • Recurrent - 治療後の再発。

診断において臨床病期の分類はJackson分類ではなくTNM分類(2010年)が用いられることも多い。

予後は患者によって異なるが、他の癌と同様、発見された段階が速いほどよい。全体で見た5年生存率は約50%。

治療法

段階によって手術放射線治療化学療法免疫療法といった陰茎癌治療の選択肢があるが、手術が最も一般的である:

  • 広範囲局所切除術 - 癌と周囲の健康な組織までを切除する。
  • 顕微手術 - 顕微鏡を用い健康な組織の切除を可能な限り少なくする。
  • レーザー手術 - レーザーで癌細胞を焼くか切除する。
  • 包皮切除 - 癌化した包皮を切除する。
  • 性器切断 - 陰茎の一部または全体を切除する。周辺リンパ節を含む場合もある。よく行われ効果的である。

放射線治療は通常、再発のリスクを減らすために手術の直前に行われる。早期の段階では局所の化学療法と侵襲性の低い手術を組み合わせる。進行した段階では手術と放射線治療と化学療法の組み合わせが必要となる。

脚注

参考文献

  • Edward Wallerstein. Circumcision: An American Health Fallacy. New York: Springer, 1980: pp. 22, 44, 45, 67, 90, 104-14, 148. (ISBN 0-8261-3240-5)
  • Paul M. Fleiss, M.D., and Frederick Hodges, D. Phil. What Your Doctor May Not Tell You About Circumcision. New York, Warner Books, 2002: pp. 150-4. (ISBN 0-446-67880-5)
  • Cabanas RM: An approach for the treatment of penile carcinoma. Cancer 1977;39:456.

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